2022年度は本研究の最終年度であるが,初年度末の新型コロナウイルス感染拡大による全国小中学校の休校措置によって,北九州市教育委員会指導部指導二課と連携して行うアンケート調査が1年遅れの実施となったことが,本研究全体の進捗に大きく影響し続け,当初の計画期間である4年間で完結することが極めて困難な状況に置かれたまま研究に取り組んだ. アンケート調査については,当初の計画に1年遅れながらも,2020年度と2021年度に継続して追跡調査を行うことができ,研究補助員を雇用したことによって,2022年度にセルフコントロール尺度とダンバー数に関する調査の集計と分析,学力・学習状況調査データとのクロス集計などの結果を得ることができた.これらの研究成果について,日本教育社会学会において「子どもの社会的ネットワークの発達による変容に関する調査研究」,日本教育工学会において「子どもの社会的ネットワークの発達に関するダンバー数調査」と題して発表することができた.授業実践研究については,新型コロナウイルスの断続的な感染拡大によって小中学校における感染対策が継続し,そのため本研究の成果検証として重要な授業実践の計画を立てることができなかった.啓蒙活動として,8月30日に北九州市教育委員会第3回生徒指導主事・主任会議で「eメディアと子どもの成長」と題した講演を行い,教育現場に研究成果を還元することができた.また,3月20日に開催した科研費フォーラムに,福岡県「保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成事業」講師として活躍するNPO法人子どもとメディアのインストラクター8人が参加されたので,本研究の成果を伝えることができた. 本研究全体の成果報告として,2023年3月20日に,科研費フォーラムを北九州国際会議場で開催し,基礎研究としての調査分析とそれを用いた教育方法に関する研究成果を報告することができた.
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