本研究は、国立教育政策研究所等が定点観測的に実施してきた「いじめ追跡調査」(1998年~2015年、2016年~2018年)の継承・発展を目的としたものである。具体的には、これまでに蓄積されてきた調査データとの比較可能性を維持できるよう配慮しつつ、項目の追加や質問文の見直し等を行った「新たな調査票」を開発したうえで、従来と同一の調査地域・調査対象に対して同様の形で調査を行う。そして、従来の結果と比較しつつ調査票の調整・修正等を行い、今後10年以上は通用する「新たな調査票」を完成させる。それにより、国内では学術的に意義のある、海外ではbullying researchのstandardとなる、そんな「調査票」(日本語版・英語版・スウェーデン語版)を完成させることにより、「いじめ追跡調査」の継承・発展を図る。 元々は2022年度に終了予定の研究であったが、2019年3月以降のコロナウィルスの世界的蔓延により、2021年度までに予定していた招聘もしくは往訪によるギリシア及びオーストラリアの研究者との情報交換の計画の変更を余儀なくされた。そのうち、オーストラリアの研究者との情報交換は2023年2月に実施した。 そこで、2023年度は、残るギリシアへの訪問調査(もしくは招聘調査)について、日程調整の困難を避けるために2023年10月2日ー4日に開催される国際学会(WCVS2023)に合わせ、ギリシアを含む欧米の研究者との情報交換を行うこととした。 学会での発表と、前後の日程での欧米の研究者との交流を終え、当初計画した研究を終えることができた。
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