研究課題/領域番号 |
19H01689
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸山 文裕 広島大学, 高等教育研究開発センター, 名誉教授 (60144888)
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研究分担者 |
水田 健輔 大正大学, 地域創生学部, 教授 (30443097)
三好 登 広島大学, 高大接続・入学センター, 特任准教授 (40735164)
両角 亜希子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (50376589)
福留 東土 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70401643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高等教育無償化政策 / 大学授業料 / 奨学金 / 高等教育財政 / 高等教育政策 |
研究実績の概要 |
本研究は、2020年4月から施行される高等教育の修学支援新制度について、その政策の意義と施行上の課題について検討することを目的としている。その場合、修学支援新制度が大学教育の供給側(大学等の高等教育機関)と需要側(大学進学希望者等)の双方に与える影響を検討する。 今年度は、特に高等教育無償化政策が大学教育および教育機関に与える影響を中心に分析を進めた。高等教育の修学支援新制度が、大学教育、大学財政経営、大学ガバナンス、大学事務の新制度への対応、大学授業料水準、授業料減免、大学独自奨学金、等へどのような影響があるかを明らかにするため、教育財政、高等教育論、教育社会学、教育経済学、等の観点から理論的に検討した。 さらにそれらの理論的検討を踏まえて、全国の私立大学へ修学支援新制度についてのアンケート調査を設計した。研究分担者と数回の討議を踏まえて、調査票を2019年末に完成し、2020年初頭にかけて全私立大学に配布し、そのうちの多数の大学から回答をえた。 2020年4月の時点で、回答はデータ化しコンピューター入力済みであり、統計表として出力可能であり、分析中である。本年度の研究実績は、このように高等教育無償化政策の理論的分析および私立大学へのアンケート調査の設計、配布回収等の実施、データ分析を挙げることができる。 また研究分担者によるアメリカ、中国、等の海外調査によって、奨学金等の外国の大学の修学支援制度の検討も挙げることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年4月からの高等教育無償化政策の施行に当たって、大学進学状況、大学教育、私立大学経営、無償化実施の大学対応、等を検討するため、全国の私立大学を対象にしたアンケート調査を2019年暮れから2020年初めにかけて実施した。アンケート調査の設計に先立っての理論的検討、実施、回収、データ入力、統計表での出力、等は順調に行い、研究は進展している。 現在データ分析を進めるべく準備しているが、新型コロナウイルス感染症の影響により研究分担者との会議が開催できないでいる。そのためデータ分析にやや遅れが生じているが、感染症の終息後に研究打ち合わせを行う予定である。ただし終息が長引くようであれば、ウエブ会議によってデータ分析を進める可能性もある。
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今後の研究の推進方策 |
高等教育無償化政策の大学教育供給側と需要側の双方への影響を明らかにすることが本研究の目的である。私立大学へのアンケート調査によって大学教育供給側への影響はある程度明らかにすることができる。今後は大学進学動向の分析により、大学教育の需要側への影響を分析する。 また海外の大学教育修学支援策を海外調査によって明らかにし、検討することも同時に進める。しかし新型コロナウイルス感染症の影響により、海外調査が順調に行われない可能性もある。その場合は研究分担者と協議して、代替的な方法を検討する。
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