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2021 年度 実績報告書

視覚障害児の包括的アセスメントの開発と発達段階に応じたカリキュラムモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19H01696
研究機関筑波大学

研究代表者

佐島 毅  筑波大学, 人間系, 准教授 (20241763)

研究分担者 福田 奏子  宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (20844799)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード視覚障害児 / 包括的アセスメント / カリキュラムモデル
研究実績の概要

視覚障害児用包括的アセスメントツール開発研究を引き続き実施した。枠入れ立体構成課題の課題達成率の分析および未達成課題の誤答時の行動観察から課題順序性は、要素数要因および同形・異形要因が課題の難易度に影響を及ぼすことが示唆された。盲幼児児童における系列化課題とその発達過程について入れ子課題を用いて課題理解が言語的に可能な盲幼児児童27名を対象に調査を実施した。課題は、大きさの異なるコップを順番に重ねていくというものであらかじめコップを提示しておく課題(提示課題)と、コップを一つずつ手渡す課題(手渡し課題)の全9課題を設定した。提示課題においては、課題2、課題1、課題3、課題5、課題4の順で達成率が低くなった(Table2)。手渡し課題においては、課題6、課題7、課題8、課題9の順で達成率が低くなった。提示課題と手渡し課題のそれぞれで、コップが3個の場合と5個の場合の平均達成率を算出し、提示方法要因とコップの個数要因での二要因の分散分析を行った結果、提示方法要因の主効果、コップの個数要因の主効果ともに有意であった(提示方法要因:F(1,26)=11.79,p<.01、コップの個数要因:F(1,26)=17.88,p<.01)。コップ2個の一対一操作を行う方略の多い段階1、重ねたフィードバックを利用して操作するコップを選択し、入れ替えを行う方略の多い段階2、コップの順番を意識し、見通しを持って繰り返しの操作を行う方略の多い段階3、始めに全体を把握し、コップを重ねたフィードバック以外の手がかりも利用する方略の多い段階4の4つに分けられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

視覚障害児用包括的アセスメントツール開発研究において、当初予定していた枠入れ立体構成課題に加えて、盲幼児児童における系列化課題に関する多数例による検討を行い、それぞれについて一定の進捗がみられた。得られた知見について学術誌に論文を投稿し、採択に向けて修正等を重ねている状況にある。

今後の研究の推進方策

これまで開発した評価・指導教具から、具体的な指導段階・系統性について検討し、指導系統図および指導解説書を作成し、広く普及を図る予定である。また、二次元平面触察課題「盲幼児・児童のための凸線辿り迷路課題」を考案して課題難易度を明らかにするとともに、指導段階表および指導解説資料を作成したい。さらに、弱視児童における目―手の協応に関するアセスメントツールに関する妥当性と信頼性の検証する。研究成果については学術論文への投稿および学会発表をするとともに、教具等の活用マニュアルを作成しホームページ等において情報を公開する予定である。開発した教具は市販化に向けて取り組んでいきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 盲児に対する分数のわり算の指導法に関する研究─触覚的イメージに依拠した文章題と操作可能な教具の有用性の検討─2022

    • 著者名/発表者名
      岩田 恵実・青柳 まゆみ・佐島 毅
    • 雑誌名

      障害科学研究

      巻: 46 ページ: 137-147

    • 査読あり
  • [学会発表] 盲幼児児童における系列化課題の課題難易度の分析-触運動感覚を利用した入れ子課題を用いて-2021

    • 著者名/発表者名
      戸嶋純那・二宮一水・福田奏子・佐島 毅
    • 学会等名
      日本特殊教育学会
  • [学会発表] 盲児が触運動感覚を通して操作しやすい枠入れ立体構成課題用教具の大きさに関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      福田奏子・二宮一水・岩田恵実・戸嶋純那・佐島 毅
    • 学会等名
      日本特殊教育学会

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公開日: 2023-12-25  

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