研究課題/領域番号 |
19H01699
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大井 学 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (70116911)
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研究分担者 |
藤野 博 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (00248270)
高木 智世 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00361296)
日戸 由刈 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (40827797)
田中 早苗 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80811372)
米田 英嗣 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 語用障害 / 自閉症スペクトラム指数 |
研究実績の概要 |
20歳代、30歳代、40歳代の男性60名女性64名(年齢平均35.04,SD 8.01)を対象に、1)AQ日本語版を実施し、2)CC-A(The Communication Checklist; Adult)の語用障害項目21、社会性の障害項目6及び言語障害項目7 について5段階適切性評定、3)福田ら(投稿中)の用いた自閉症成人12名から得たコロケーション・エラー25項目の5段階適切性評定を求めた。AQと語用障害及びコロケーション・エラーの評定値間の相関を求め、3者の関連についてのパス解析を行った。AQ(平均値17.94、SD7.47)のカットオフ33を超えたもの(男性4名女性1名)も統計処理に含めた。AQと語用障害項目評定値との相関はr = .185,p<.05、コロケーション・エラー評定値との相関はr= .235,p<.01であった。AQと言語障害項目評定値との間の相関は有意でなかった。なお、AQ とコロケーション・エラー評定値間の相関は女性ではr = .262,p<.05であったのに対し、男性では相関は有意ではなかった。コロケーション・エラー評定値は男性より女性が低かった(F=6.504,p<.05)。評定者のAQが高いほど成人で見られる語用障害に対する認容性が高くなることが示された。AQが高いほど自閉症成人で見られた意味障害(コロケーション・エラー)に対する認容性が高くなることが示された。男女ほぼ同数からなる研究対象者においても、AQが高いほど語用障害に対する認容性が高くなることが示された。AQと言語障害の適切性評定のあいだに有意な相関はなく、AQが高いことに伴う認容性の高さは語用障害と意味障害に限定されることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査会社を通じて当初予定していた人数のサンプルからデータを集めることができ、AQと語用障害、意味障害及び言語障害の適切性評定値との相関も得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
①自閉症成人40名を対象に、定型発達成人で確認された、AQと語用障害、意味障害、および言語障害の適切性評定値との相関を検討する。②自閉症の中高生、および定型発達の中高生を対象に、会話データを収集し、その分析パラメタとAQ、語用障害、意味障害の適切性評定値との関連を検討する。
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