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2021 年度 実績報告書

プリントディスアビリティにも対処できるデジタル時代の日本語レイアウト

研究課題

研究課題/領域番号 19H01705
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

村田 真  慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (60835023)

研究分担者 玉井 浩  大阪医科薬科大学, その他部局等, 名誉教授 (30179874)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード日本語レイアウト / 分かち書き / 縦書き / 眼球運動 / 固視時間 / サ ッ カ ー ド
研究実績の概要

三年目となる本年度は、去年に引き続き本格的な実験を行うとともに、これまでの実験のデータの解析を行った。
実験では、おもに三つの比較評価を行っている。第一に、同一の短文の縦書き表記と横書き表記について比較評価した。第二に、数字の並びについて縦書き表記と横書き表記について比較評価した。第三に、数行程度の短文について、改行が文節の途中で起こる場合と起こらない場合について比較評価を開始した。被験者は、小学4~6年生のLDセンター学習クラスに通所する学習障害の児童21名である。
データ解析の準備として、眼球移動追跡データを分かりやすくグラフ化するプログラムを開発した。開発には、関数型言語F#を用い、構造化データ加工ツールのDeedleとチャート生成ライブラリXPlot.Plotlyをライブラリとして利用した。このグラフを調べることによって、外れ実験データ(被験者が途中で読むのを中断している場合、眼球移動追跡装置がデータ取得に何度も失敗している場合)を発見することができた。また、視線が左右に急速に移動している場合には、固視でも通常の視線移動でもなく分類不能であるというデータを眼球移動追跡装置が出すことも分かった。
現在は、外れ実験データを除いたあとで、被験者ごと、課題文のレイアウトの種類(分かち書き及びずらし書きの有無)ごとに、固視時間や視線移動回数などを統計処理している。最終的な結果はまだ出ていないが、分かち書き・ずらし書きのほうが読みやすい被験者と、逆に普通のレイアウトのほうが読みやすい被験者がいることが分かってきた。また、ディスレクシア(音読が遅い)なのか、ディレクシアのない学習障害(音読は遅くない)なのかによっても傾向が違うことが分かってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験については、順調に進んでいる。これは二年目に、実験の方法や体制を確立できたためであり、今後も実験は順調に進むものと思われる。一方、実験データの解析はやや遅れている。しかし、本年度に作成した眼球移動グラフ表示プログラムなどが今後の実験データ解析を容易にするので、今後はデータ解析も軌道に乗るものと思われる。

日本語の分かち書きについては、すでにW3CにおけるCSS標準化の対象になっており、実装も始まっている。どんな分かち書きをすればよいのか、本研究の成果に基づいて発言をしているところである。

今後の研究の推進方策

実験データ解析については本年度で大きな進歩があったが、今後も解析プログラムを整備していくことは必要に応じて行っていく。

実験については、ルビのさまざまの表示についての比較評価を追加していく予定である。

本研究の成果の論文化は、データ解析の遅れによってやや遅れているが、今後は積極的に行っていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プリントディスアビリティにも対処できるデジタル時代の日本語レイアウト2022

    • 著者名/発表者名
      村田真
    • 学会等名
      情報処理学会短期集中セミナー「EPUB電子書籍のアクセシビリティのJIS化について」

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公開日: 2022-12-28  

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