研究課題/領域番号 |
19H01709
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
小林 巌 東京学芸大学, 特別支援教育・教育臨床サポートセンター, 教授 (90305300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 重度重複障害 / 視覚認知発達 / 情報システム / 視線計測 |
研究実績の概要 |
本研究は、重度重複児(者)等の視覚認知発達を促すため、アイトラッカー(視線計測装置)を用いた視覚認知発達支援のための情報システムを構築し、実際に教育現場での適用を行うことを目的とする。今年度は、令和元年度に行った研究内容を踏まえ、下記のような検討を進めることができた。 1)システム構築に関する教育工学的検討 簡便なシステムおよびタブレットPCに関する検討を引き続き進めた。前者の簡便なシステムについては、プロトタイプの検討・構築が進んだことから、分析機能を中心とした検討を実施した。また、後者のタブレットPCについては、iPad対応のアイトラッカーが海外で市販されるようになったことから、これについての機能の確認を中心に実施することができた。結果的に、WindowsタブレットおよびiPadの双方によるアイトラッカー活用のシステムが準備できた。令和3年度の最終年度には研究協力校での試用を計画しており、関係者と協議を実施している。 2)システムの活用に関する教育心理学的検討 中枢性視覚障害(CVI)の評価を中心に検討を進めているが、重度重複児(者)におけるCVIの評価についてヨーロッパで評価尺度が開発され、英語版が今年度に公開された。開発者にコンタクトを取り、日本語版の翻訳に関する許可を得ることができた。令和3年度に実施するシステム適用の際に、評価の一手法として活用する計画であるため、作業を開始したところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィスル感染症の影響のため、研究協力校への直接の訪問や、予定していた国際会議での研究発表ができなかった点が想定外であったが、研究内容自体は概ね実施することができた。特に、重度重複児(者)のCVIに関する評価尺度に関しては当初の予定にはなかったが、最新の研究動向として取り扱うことが可能であり、重要な研究内容と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度はシステムの適用に関する検討が中心となる。研究協力校と十分な連絡・協議を行いながら進めていく予定であるが、新型コロナウィスル感染症の影響等を十分に踏まえて進めることにしたい。当初予定では、研究代表者が研究協力校を訪問してシステム適用に関わる計画であったが、場合によっては必要な作業を全て研究協力校の関係者に依頼するなどの方法も必要であると考えている。また、令和3年度は最終年度であるため、研究発表の機会も増やすことにしたい。
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備考 |
学会発表の項目に記載した国際会議は、2020年に実施予定だったが2022年に延期になったものである。査読は終わっており、採択済である。
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