研究実績の概要 |
本研究では協調学習のパフォーマンスを向上させるために個別学習との往還を行いながら, 個別学習の促進と, 個別学習で行ったことを協調学習へ活用する支援を行う基盤開発と評価を対面, ならびにハイブリッド形態の授業で実施してきた. 2021年度では協調学習支援システムにおいて, 事前に行ってきた個別学習行動について可視化する機能を使用した群と使用しなかった群との比較検証を行い、使用後の行動変容について検討を行った。その結果、学習者は授業翌週の個別学習行動が活発になることや, マーカーやメモといった認知的学習活動や個別学習時におけるブックマークの利用が本機能未使用群よりも統計的有意に多くなることが示された. しかし,個別学習状況における認知的学習活動が議論に向けた準備として効果的ではないケースが見受けられた. 多くの教育・学習系の研究において, マーカーやメモをするといった精緻化等に関する学習方略は学習成果に対して, 効果的とされているが, 本研究では分析を詳細に行うと, 1つの学習行動でも, そこから展開される学習行動によって, 議論の関わり具合等が異なることがわかった.
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