研究課題/領域番号 |
19H01723
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
荒川 俊也 愛知工科大学, 工学部, 教授 (50631248)
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研究分担者 |
板宮 朋基 愛知工科大学, 工学部, 教授(移行) (60583896)
山邉 茂之 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (90533670)
尾林 史章 愛知工科大学, 工学部, 研究員(移行) (50787504)
鈴木 高宏 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20302622)
小林 一信 愛知工科大学, 工学部, 講師(移行) (00410887)
宇野 新太郎 愛知工科大学, 工学部, 教授(移行) (60610144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | KYT / 津波避難 / 危険予知意識 / 自動車避難 / 防災教育 / シミュレータ |
研究実績の概要 |
宮城県石巻市および愛知県西尾市におけるドライビングシミュレータ(DS)およびVR/AR環境による津波災害避難訓練に用いるシナリオを検討すべく,石巻市役所・日本カーシェアリング協会・西尾市役所・西尾警察署を対象としたヒアリングを実施した.また,ヒアリング結果を踏まえて,石巻市・西尾市の現地道路環境調査を実施した.その結果, (1) 西尾市における避難訓練シナリオ対象箇所として,愛知県立一色高等学校を中心とした3kmx3kmの領域を対象とする.交通事故多発地帯であると共に,津波災害時,自動車と歩行者が混在する地形であることから対象とした. (2) 歩行者の避難訓練ではVR環境で実施する.当初の目的である,注意対象に対する視線挙動を計測する場合,実際の地形を歩く必要は必ずしも無く,また,VRデバイスは視線挙動を計測する環境が標準で備わっているためである. (3) 作成するシナリオは西尾市のシナリオだけにする.当初は石巻市民対象とした避難訓練を実施するに際して,石巻市のシナリオを対象として実施予定であった.しかし,既知の環境を走行した場合の視線挙動を計測するよりも,石巻市民にとって未知の環境である西尾市の環境を走行させることにより,KYTシートを作成するために必要である,災害経験者(石巻市民)と未経験者(西尾市民)の,津波災害避難時の視線挙動の差異が明確になると考えたためである. 以上を踏まえて,西尾市シナリオを対象としたドライビングシミュレータおよび歩行者避難シミュレータを開発した.但し,シナリオの作り込みについては,上記検討に時間を要したことから,やや遅延が生じている.そのため,2020年度上期を目処に完了させる計画である. また,KYTシート・アプリのサンプルを作成した.KYTシートは今後上記シナリオ作り込みなどと並行してブラッシュアップを進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレータ環境下のシナリオ検討のために,石巻市および西尾市を対象としたヒアリング調査および道路環境調査を実施したため,シナリオ作成に時間を費やしている.シナリオ作成は2019年度中に完了できなかったが,2020年度予定の実験実施に影響を及ぼす程ではないと判断している. また,当初は,歩行者避難シミュレータをAR環境下で開発する計画であったが,実験実施の規模および視線挙動計測の観点を考慮して,VR環境下で開発することとなったが,この変更に伴う研究進捗の遅延は生じていない.
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今後の研究の推進方策 |
開発したドライビングシミュレータおよび歩行者避難シミュレータの,西尾市シナリオの作り込みを,2020年度上期までに完了させる.2020年度下期を目処に,シミュレータ環境による,石巻市民を対象とした実験を行い,避難時の視線挙動を計測・解析する.合わせて,KYTシート・アプリのレイアウトおよびコンテンツについて検討を進め,実験結果を反映させて作り込みを進めていく.但し,上記日程については,COVID-19の影響で遅延が生じる可能性がある. 以上の内容を踏まえて,2021年度は,KYTシート・アプリを,西尾市民に活用してもらう.西尾市民を対象としたシミュレータ環境下の実験を実施し,KYTシート・アプリの効果検証を実施する.
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