研究課題/領域番号 |
19H01724
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研究機関 | 京都情報大学院大学 |
研究代表者 |
岡本 敏雄 京都情報大学院大学, その他の研究科, 教授 (60125094)
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研究分担者 |
青木 成一郎 京都情報大学院大学, その他の研究科, 准教授 (80596255)
作花 一志 京都情報大学院大学, その他の研究科, 教授 (10411331)
高 弘昇 京都情報大学院大学, その他の研究科, 教授 (30388235)
永田 奈央美 静岡産業大学, 情報学部, 准教授 (50582293)
香山 瑞恵 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (70233989)
小林 信三 特定非営利活動法人サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES(附置研究所), 附置研究所, 客員研究員 (70793842)
田中 恵子 京都情報大学院大学, その他の研究科, 助教 (60866284)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教育工学 / eラーニング / 国際化 / 電子教科書 / 協調学習 / 協働 / テキストマイニング / Diamond Mandala Matrix |
研究実績の概要 |
「国際化を考慮した社会的ネットワーキング指向の次世代eラーニング基盤の発展」という課題設定は,コロナ禍の特殊な状況を除き,近年,日本に多くの留学生が留学してきた状況に基づいている。これまで,eラーニングコンテンツ,pdf,スライド資料などのデジタル教材を多言語化する利点と,多言語化における注意点に関して議論してきた。MOOC的な教材としての動画コンテンツをインストラクショナル・デザインに基づきまとめる方法として,ウェブ上の教材と電子教科書に取り組んで来た。ウェブ上の教材のプラットフォームとしてDiamond Mandala Matrix に基づくシステム(digital Diamond Mandala Matrix: dDMM)を開発した。dDMM のシステムを国際化の観点で,大幅に機能拡張し,外国人が母語で思考して入力したデータを翻訳機能により母語から日本語へ変換して授業で用いることができるようになっている。電子教科書に関しては,韓国CICSOFT社と標準化形式ePub3の電子教科書の研究を進めている。そのために日韓eラーニングコンテンツの共同研究に関するMOUを同社と締結した。 国際化の観点から,受講生に留学生が多い大学院での授業においてdDMMを用い,受講生が入力したデータに対してテキスト分析を行い,dDMMのツールとしての有効性を示した。また,高校生を対象とした授業においてもdDMMを用いて授業を実施し,受講生が入力したデータなどから同様の有効性を示している。 個別学習の先にある学習者に対する協働の観点から,Web ベースの参画・協働学習支援のモデル( Social Intelligent Agents 技術の適用)の検討を試み,ドローイング学習支援システムとして構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MOOC的な教材をインストラクショナル・デザインに基づきまとめる方法として,ウェブ上の教材と電子教科書に取り組んで来た。ウェブ上の教材のプラットフォームとして開発したDiamond Mandala Matrix に基づくシステム(digital Diamond Mandala Matrix: dDMM)に国際化の観点から機能拡張し,外国人が母語で思考して文字翻訳機能により母語から日本語へ変換したデータを用いて授業へ参加することが可能になった。このシステムを受講生に留学生が多い大学院の授業で用い,受講生が入力したデータをテキスト分析して,dDMMのシステムとしての有効性を示した。高校生を対象とした授業でdDMMを用いた分析からも同様の結果が得られた。機能面の検証のため,日本語での実証に立ち返ることを目的として,日本人が受講生の多くを占める授業科目でも同様に実証し,分析を進めている。また,個別学習の先にある協調学習のための機能も随時追加し,授業において実証中である。電子教科書に関しては,韓国CICSOFT社と標準化形式ePub3の電子教科書の研究を推進中である。そのための日韓eラーニングコンテンツの共同研究に関するMOUを締結した。 国際性を踏まえた学習履歴の観点に基づくオープンデータ連係についての海外(特にアメリカ合衆国)の動向について調査継続中である。 個別学習から発展する学習者に対する協働の観点から,Web ベースの参画・協働学習支援のモデル( Social Intelligent Agents 技術の適用 )の検討を試み,ドローイング学習支援システムとして構成し,美術専門学校で教育実践中である。また,英国ダラム大とSTEAM教育に関する学習技術開発の共同研究を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
情報教育シンポジウム,教育システム情報学会,日本教育工学会に参加して口頭発表を行い査読付き論文も出版している。また,韓国企業との電子教科書に関する共同研究もコロナ禍の制限下でできる範囲で進めている。eラーニングの研究は概ね順調に進んでいる。 digital Diamond Mandala Matrix(dDMM)をeラーニングのプラットフォームとして用いた実践と分析を,留学生を含む様々な受講生から構成される授業で用い,例えば対面授業やオンライン授業での実証など,より詳細に研究を進めていく。また,協調学習を効果的に進めるためのグループ構成を補助する機能をdDMMのシステムへ加え,実証を行う。電子教科書に関しては,韓国CICSOFT社と標準化形式ePub3の電子教科書の研究を引き続き進める。 国際性を踏まえ,学習履歴の観点でのオープンデータ連係などに関する海外の動向の調査・研究を継続する。 個別学習から学習者に対する協働への展開の観点から,Web ベースの参画・協働学習支援のモデル( Social Intelligent Agents 技術の適用)として、ドローイングの質的評価のための機械学習モデルを具体化し、教育実験を試みる。英国ダラム大とSTEAM教育に関する学習技術開発の共同研究を引き続き継続する。
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