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2021 年度 実績報告書

理科の探究学習の今日的特徴の調査とその実践プログラムの開発:日米中の比較を通して

研究課題

研究課題/領域番号 19H01732
研究機関上越教育大学

研究代表者

古屋 光一  上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10374753)

研究分担者 鈴木 誠  北海道大学, 高等教育推進機構, 名誉教授 (60322856)
久保田 善彦  玉川大学, 教育学研究科, 教授 (90432103)
隅田 学  愛媛大学, 教育学部, 教授 (50315347)
山中 謙司  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80741800)
折本 周二  東京女子体育短期大学, その他部局等, 准教授 (10852121)
大貫 麻美  白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (40531166)
三好 美織  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80423482)
雲財 寛  日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 助教 (00806838)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード初等中等教育 / 探究学習 / 資質・能力(コンピテンシー) / 科学概念の形成 / 実践的指導力
研究実績の概要

本研究では,日本,米国,中国の初等中等教育の学校において,探究学習の授業のビデオを収集し,三カ国の探究学習の共通点,相違点を明らかにする事をも目指していた。しかしながら,2020年度は,新型コロナウイルス感染の拡大のため,米国,中国を訪問することができなかった。また,日本国内の旅行もできなかった。2021年度も感染はおさまらなかった。そのため,米国,中国,そして日本の学校訪問は,やはりできなかった。そのかわり,米国の理科の新スタンダード(NGSS)がどのような実践上の特徴を持っているかを明らかにする事を目指した。その理由は,既に日本国内においてNGSSの研究は複数ある。たとえば,NGSSの特徴やNGSSの開発過程の特色などである。しかし,NGSSを理解したアメリカの理科教師がどのような授業をしているかを示した論文が国内になかったからである。また,今年度は新たな分担者にも,本研究に加わって戴いた。そして実際にはNGSSの研究会を3度実施した(1回につき3時間)。講師はアメリカのNGSSの執筆者で,中学校の教員をしている方である。ウェブ会議システム(Zoom)を使って丁寧に説明戴いた。そこででた質問や課題については後日,講師の考えやその根拠を示して戴いた。具体的にはアメリカの旧スタンダード(NSES)では探究は重視されていた。しかし学校現場では期待された程,探究は実施されなかった。そのような状況の下でNGSSが開発されたのである。そのため,理論的な理解だけでなく実践的な指導についても理解が深まった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

アメリカの新スタンダード(NGSS)がどのような実践上の特徴を持っているか,この点を明らかにする研究会は予定通り実施することができた。日本では現在,探究学習が重視されている。あるいは小学校の問題解決学習が重視されている。私たちはアメリカのNGSSの基でも,探究が重視されていると考えていた。それは,アメリカの旧スタンダード(NSES)が実施されていた当時,探究が重視されていたからである。しかし,現在はNSESではなく,NGSSが実施されている。実際には探究が,アメリカの旧スタンダード(NSES)の時とは異なる扱いになっていることが分かってきた。本研究では日米ともに探究学習をしていることを前提としていたので,これはかなり重要な点である。
一方,日本でも,アメリカでも新型コロナウイルス感染が続いているため学校での休校は続いていた。そのため,探究学習の授業ビデオの収集とそれに字幕翻訳を付けることはできなかった。

今後の研究の推進方策

アメリカの新スタンダード(NGSS)の実践上の特徴の研究会を更に続ける。NGSSの基では,探究学習の取扱いが変わりつつある。本研究の4年目(2022年度)に,新型コロナウイルス感染が治まるのなら,実践上の特徴を,単に文献や会議による説明のみではなく,アメリカにおいて理科の授業を直接観察し,分析する事でその特徴を把握する。アメリカのNGSSに基づいた理科の授業の特徴を捉えることができた場合,日本の探究学習との共通点,相違点を明らかにして,これを公の場において示す。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コンピテンシーの育成を目指した理科の学習方略2022

    • 著者名/発表者名
      五十嵐 洋貴、増田 美次郎、古屋 光一
    • 雑誌名

      日本科学教育学会研究会研究報告

      巻: 36 ページ: 49~52

    • DOI

      10.14935/jsser.36.3_49

  • [雑誌論文] 学習者の「科学の本質」に関する調査問題の開発2022

    • 著者名/発表者名
      長谷 一弘、古屋 光一
    • 雑誌名

      日本科学教育学会研究会研究報告

      巻: 36 ページ: 53~56

    • DOI

      10.14935/jsser.36.3_53

  • [雑誌論文] 「学び続ける主体」の育成に向けた理科のアプローチとは2021

    • 著者名/発表者名
      隅田学
    • 雑誌名

      学校教育

      巻: 1248 ページ: 6~13

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 日本における「科学の本質」の理解:中学生を対象として2021

    • 著者名/発表者名
      長谷一弘,古屋光一
    • 学会等名
      一般財団法人日本理科教育学会北陸支部大会 金沢大学(オンライン開催)
  • [学会発表] コンピテンシーの育成を目指した理科の学習方略測定尺度の開発に向けて-中学生への質問紙調査の分析結果-2021

    • 著者名/発表者名
      五十嵐洋貴,増田美次郎,古屋光一
    • 学会等名
      一般財団法人日本理科教育学会北陸支部大会 金沢大学(オンライン開催)
  • [学会発表] 小学校理科の単元レベルの授業設計指導法H29学習指導要領の三つの要素に基づいた「教育課程*」の作成を通して2021

    • 著者名/発表者名
      古屋光一,山中謙司,久保田善彦
    • 学会等名
      一般社団法人日本理科教育学会第71回全国大会 群馬大学(オンライン)
  • [学会発表] 現代社会における科学的主張を読み解く科学メディアリテラシーの検討2021

    • 著者名/発表者名
      久保田善彦 舟生日出男 鈴木栄幸
    • 学会等名
      日本科学教育学会年会
  • [学会発表] 現代社会における科学的主張を読み解く科学メディアリテラシーの育成手法のデザインと実践2021

    • 著者名/発表者名
      松峯笑子 舟生日出男 鈴木栄幸 久保田善彦
    • 学会等名
      日本教育工学会
  • [学会発表] Learner Centered Instructional Design in Physics: A Survey on High School Students' Understanding of Heat and Temperature in Everyday Life Contexts2021

    • 著者名/発表者名
      Solola, I., Sumida, M.
    • 学会等名
      日本理科教育学会四国支部大会
  • [学会発表] 高校での課題研究におけるテーマ設定と生徒の主体性2021

    • 著者名/発表者名
      松原依莉彩, 隅田学, 池田哲也, 吉村直道, 角藤寿樹, 大西倫紀, 上床孝樹, 八木昌生
    • 学会等名
      日本理科教育学会四国支部大会
  • [学会発表] 高校生の理科に関するオンライン学習の実態と可能性について2021

    • 著者名/発表者名
      蔵田雅典, 隅田学, 掛水高志
    • 学会等名
      日本科学教育学会研究会
  • [学会発表] STEM Education Strategies for the Region2021

    • 著者名/発表者名
      Sumida, M.
    • 学会等名
      The 2nd Integrated STEM Leadership Summit in Asia
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本の幼児教育における遊びの意味とそれをふまえたSTEM教育の在り方に関する一考察2021

    • 著者名/発表者名
      大貫麻美
    • 学会等名
      日本科学教育学会第45回年会
  • [図書] 理論と実践をつなぐ理科教育学研究の展開2022

    • 著者名/発表者名
      久保田善彦 他:一般社団法人日本理科教育学会
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      9784491049359

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公開日: 2023-12-25  

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