研究課題/領域番号 |
19H01736
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松浦 拓也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40379863)
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研究分担者 |
雲財 寛 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 助教 (00806838)
木下 博義 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20556469)
三好 美織 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80423482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 科学的推論 / 高次思考スキル / カリキュラム |
研究実績の概要 |
令和2年度は、まず、日本 オーストラリアシンガポールを対象とし、理科のカリキュラムにおいて高次思考力がどのように位置付けられているのかについて比較し、共通点や差異点について分析した。具体的には、新型コロナウイルスの影響もあり、研究代表者と研究分担者はオンラインでミーティングを複数回実施し、3カ国のカリキュラムについて、主として能力やスキルとして位置づけられている事項を整理し、議論した。その結果、いずれの国においても問題解決や探究の活動を通して指導することが強調されているものの、高次思考能力に限定すると、批判的思考スキルを様々なセクションに位置付けて説明しているオーストラリア以外においては、授業の中でどのように扱うことを期待しているのかについては明文化されていないことなどが明らかとなった。 ※オーストラリア(ニューサウスウェールズ州)では、高次思考能力に関わる用語としては、上述したように批判的思考スキルが多くのセクションにおいて言及されており、カリキュラム横断的な学習としても位置付けられている。例えば、『批判的で創造的な思考は、「科学的な活動」のスキルとプロセスに組み込まれている。7-10年生の科学シラバスでは、生徒に批判的で創造的な思考スキルを身につけさせるために、質問する、予測する、実際の調査やデザインプロジェクトに参加する、問題を解決する、証拠に基づいて判断する、証拠を分析して評価したりする、などの機会を生徒に提供している』と説明されている。 また、教師を対象とした調査については、調査項目の内容や手順について、オーストラリアの研究協力者とオンラインミーティングによって議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度においても、新型コロナウイルスの世界的蔓延の影響により、国際的な学会への参加もオンラインによる限られたものとなり、主として海外での情報収集や意見交換、実施調査に大きな支障を来したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、新型コロナウイルス蔓延の影響が継続することが想定されるため、調査対象者への影響・負担に十分配慮した研究の推進が重要となる。適宜オンライン調査を導入するとともに、学校現場や研究協力者の状況に応じた計画変更など、社会情勢に応じた対応を進める。
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