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2022 年度 実績報告書

深い学びに基づく高次思考スキルの育成を志向した理科授業の開発的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01736
研究機関広島大学

研究代表者

松浦 拓也  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40379863)

研究分担者 雲財 寛  東海大学, 児童教育学部, 特任講師 (00806838)
木下 博義  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20556469)
三好 美織  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80423482)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード高次思考能力 / メタ認知 / 批判的思考 / 教師の理解 / 生徒の自己認識
研究実績の概要

理科の教授-学習における高次思考スキルの育成に際し、教師および生徒の認識に基づきそれらをどのように位置付け、実際の指導に繋げる必要があるのか検討するために調査を実施した。教師調査における主たる比較対象国としては、当初オーストラリアを想定していたものの、期日内に一定数のサンプルサイズを満たすことができなかったため、フィリピンにおいても調査を企画・実施した。
教師調査では、中学生に理科を指導している教師を対象とし、批判的思考やメタ認知等の指導の有無のみでなく、指導の実際について自由記述での回答を求めることにより、批判的思考やメタ認知等をどのようなものとして捉えているのかについて間接的に調査・分析した。その結果、日本においては妥当性を検討させる、振り返りをさせるといった活動の側面が意識されている一方で、当該活動場面において必要となる認識論的知識については意識されていない傾向が読み取れた。また、フィリピンにおいては、批判的思考とメタ認知で傾向が異なっており、批判的思考についてはHOT(Higher Order Thinking)という概念枠組で捉えている一方、メタ認知については日本と同様に認識論的知識については意識されていない傾向が読み取れるとともに、メタ認知を具体的には理解できていないと思われる回答もみられた。
また、生徒対象の調査においては、公立中学校の生徒を対象とし、授業経験、学習観、自己調整学習の枠組を用いて質問紙調査を実施した。その結果、教師主導の学習経験は学習観(暗記)のみでなく学習観(新たな知識や視点の獲得)とも正の関係にあること、学習観(新たな知識や視点の獲得)は自己調整学習(動機づけ)および自己調整学習(学習方略)と正の関係にあることなどが示された。
これらの結果より、高次思考スキルに対する教師の多面的理解と具体的・明示的な指導が重要になるという示唆を得た。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件)

  • [国際共同研究] Central Bicol State University of Agri(フィリピン)

    • 国名
      フィリピン
    • 外国機関名
      Central Bicol State University of Agri
  • [国際共同研究] Macquarie University(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      Macquarie University
  • [学会発表] 中学生の理科に関する授業経験・学習観・自己調整学習の関連の検討2024

    • 著者名/発表者名
      三和真奈子; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本理科教育学会オンライン全国大会
  • [学会発表] What Triggers for change across grade in students' Subjective Task Values toward science learning?2023

    • 著者名/発表者名
      Takuya Matsuura
    • 学会等名
      ESERA2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 小グループでの協同問題解決場面における発話構造に関する基礎的研究2023

    • 著者名/発表者名
      増田圭佑; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本理科教育学会第73回全国大会
  • [学会発表] 中学生における課題価値の認知と指導法の好みに関する研究ー指導展開の比較調査を基盤として一2023

    • 著者名/発表者名
      森本晃仁; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本理科教育学会第73回全国大会
  • [学会発表] 児童の理科におけるメタ認知的知識ー問題解決とメタ認知的知識の整理、および調査方法の改定一2023

    • 著者名/発表者名
      三井寿哉; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本理科教育学会第73回全国大会
  • [学会発表] 仮説検証のための観察・実験計画を立案する能力の育成に関する実践的研究2023

    • 著者名/発表者名
      岡伸樹; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本理科教育学会第73回全国大会
  • [学会発表] 科学的探究の課題設定場面における教員の指導実態に関する研究ーSSH指定校の課題研究を事例として一2023

    • 著者名/発表者名
      工藤壮一郎; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本理科教育学会第73回全国大会
  • [学会発表] 理科における小グループでの発話構造に関する基礎的研究-探究場面の違いに着目して-2023

    • 著者名/発表者名
      増田圭佑; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本教科教育学会第49回全国大会
  • [学会発表] NOSに対する教師の認識に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      石飛幹晴; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本教科教育学会第49回全国大会
  • [学会発表] 理科における「主体的に学習に取り組む態度」の評価に関する研究-自己調整学習の理論に基づく検討-2023

    • 著者名/発表者名
      岡伸樹; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本教科教育学会第49回全国大会
  • [学会発表] 科学的探究の課題設定場面において生徒はどのような困難を感じているのか?-SSH指定校の課題研究を事例として-2023

    • 著者名/発表者名
      工藤壮一郎; 松浦拓也
    • 学会等名
      日本教科教育学会第49回全国大会
  • [学会発表] A Systematic Literature Review of NOS Teaching based on the Family Resemblance Approach2023

    • 著者名/発表者名
      Mikiharu Ishitobi; Takuya Matsuura
    • 学会等名
      ICASTE2023
    • 国際学会
  • [学会発表] A Study of Small Group Conversations Structure in Science: Composition of Middle School Students and University Students2023

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Masuda; Takuya Matsuura
    • 学会等名
      ICASTE2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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