研究課題
基盤研究(B)
他者が望ましい性質を持つことや望ましい行動をしたことを当該の相手や第三者に伝える行動を「称賛」と呼ぶが、これがどの程度頻繁になされるか、またどの程度好まれるかには文化差がある。本研究では、当該の社会で流通する称賛と批判の量や、それらに対する敏感性を規定する社会的要因(関係流動性が高いこと)、またそれらがもたらす人々の心理的特徴(自己主張や共感性や内的動機付けが強いこと、向社会的行動の隠蔽など)を明らかにした。
社会心理学
学術的意義:①従来解明されていなかった、「褒め合う社会」と「批判し合う社会」の違いを生む原因の一つとして、関係流動性(対人関係の選択の自由度)を同定した。②褒め合う社会が人々にどのような心理や行動を生み出すのかを明らかにした。社会的意義:「褒め下手」「褒められ下手」とされがちな日本人が、関係流動性が増加していく今後の社会で、「褒め上手」「褒められ上手」に変わっていく必要性が示唆された。