研究課題/領域番号 |
19H01752
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 教授 (20282270)
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研究分担者 |
上地 勝 茨城大学, 教育学部, 教授 (20312853)
中尾 達馬 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40380662)
大島 聖美 茨城大学, 人文社会学部, 講師 (00710089)
中島 美那子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (60571289)
若本 純子 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60410198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アタッチメント / 無秩序性 / 恋愛関係 / 若者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,成人形成期である20代前半の若者が,学業から就労へ移行するときの社会適応において,父親とのアタッチメント関係や大学生時代における心理的適応状態がどのように影響を及ぼすかについて探求することである。本研究が対象としている大学生においては,心理的適応の1つの要因として,対人関係の質が重要だと当初のレビューでは指摘している。その対人関係は,友人と恋人とが特に重要な対象となる。恋愛関係は成人アタッチメントスタイルに大きく影響を受ける。このスタイルにおいて,アタッチメント不安は主に恋愛対象から見捨てられる不安を,アタッチメント回避は恋愛対象と親密になることを避けることを意味する。これらは既存の尺度で測定可能であるが,アタッチメント対象に対していつも恐れを抱くというアタッチメントの無秩序性の観点からの尺度は存在していなかった。アタッチメント理論において恐れ(fear)が果たす役割が親密な関係においては重要である。恋愛関係においてこの恐れを測定できることは重要であり,それを測定する成人無秩序型アタッチメント尺度の日本語版の作成を目的として研究を進めた。 Paetzold, Rholes, & Kohn (2015)は,この観点でAdult Disorganized Attachment scale (以下,ADA)を開発し,この尺度は信頼性妥当性の検証もされている。ここでは,ADA尺度の日本語版を作成することを具体的な目的とした。第一段階として,大学生325名を対象としたアンケート調査を実施し,日本語版尺度が信頼性妥当性を兼ね備えていることを実証した。その結果は論文の通りである(中尾・数井,2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19の影響で,面接調査等への参加を得ることが難しかった。面接を伴わないアンケート調査でできることを行った。
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今後の研究の推進方策 |
テーマそのものの変更はないが,当初予想した研究計画の一部を修正していく。R3年度に日本語版を作成したADA尺度の、第二段階の検証を、大学生以外の若者も含めて分析を進める。
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