(1)聞き取り困難の実験(行動評価及び脳波解析):ASD児による「聞き取り」の困難は音声知覚と音韻認識のどちらに存在しているのか、その疑問を解明するため、日本語音声を使用して聴覚弁別実験と音素識別実験を実施した。また、事象関連電位の中でもミスマッチ陰性電位を分析することで、定型児とASD児の間で音声知覚と音韻認識がどのように異なっているのか、比較した。
(2)ピッチアクセント知覚(行動評価):先行研究によると、ASD児は基本周波数の変化に敏感であるが、言語音の認識においてその優位性を発揮しない傾向がある。また、定型児に比べASD児は、音声の長さや強さといった音響要素の変化に対しては敏感ではない。これら結果から本研究では、日本語ピッチアクセントの認識において、ASD児は音韻認識と音声知覚の両方において困難を持つと仮説を立てた。ピッチアクセントに係る聴覚弁別及び単語認識実験を定型児とASD児の両群に対して行い、その結果を比較した。
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