研究課題/領域番号 |
19H01763
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
中田 光紀 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (80333384)
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研究分担者 |
井澤 修平 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 産業保健研究グループ, 上席研究員 (00409757)
永田 智久 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (40525466)
内田 由紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (60411831)
島津 明人 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (80318724)
阿久津 聡 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (90313436)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幸福感 / ポジティブ・サイコロジー / 産業保健心理学 / 遺伝子発現 / 精神神経内分泌免疫学 / 炎症マーカー / 労働者 / 健康診断 |
研究実績の概要 |
人の幸福感や自己肯定感の生物学的基盤に関する研究はまだ端緒についたばかりである。我々はこれまでに、仕事への満足感、働き甲斐、良好な人間関係等の肯定的要因が炎症マーカーの抑制や細胞性免疫を増強することを報告した。また、この過程で職業要因と生活要因(生活満足感等)の相乗効果や、自己肯定感・幸福感が免疫機能や遺伝子発現に好ましい影響を及ぼすことを突き止めた。 そこで本研究はこれまでの研究をさらに発展させ、数百名規模の職域集団において、1)職業・生活上の幸福感・肯定要因がサイトカイン産生、遺伝子発現、爪コルチゾールにどの様に影響するか、2)逆にこれらの遺伝子発現やサイトカインが健康や幸福感の向上にどのように寄与するのかを3年間のコホート研究から明らかにする。そして、3)4年目にこの成果から得たエビデンスをもとに、自己肯定感・幸福感の向上を目指した参加型職場環境改善プログラムの比較試験を実施し、その効果評価を行う。また、幸福感と関連する仕事のストレスや生活習慣(睡眠、喫煙、食生活、運動、飲酒等)の要因についても詳細に調査を行い、同時に解析を進める。 本研究においては日勤労働者を対象に、健康診断時に幸福感、人生満足感等に関する詳細な調査を実施し、併せて健康診断データとリンクさせ、さらに残血清を用いて炎症マーカー(CRPやサイトカイン)を測定した。多様な炎症マーカーの測定と同時に一般健康診断項目のデータも取得し、幸福感の影響による健康状態を総合的に調査し、2年間のデータを取得した。なお、1年目は予定通り5月に調査を実施できたが、2年目はコロナ禍により当初5月に予定していた健康診断が8月末に移行したため、実施時期が移行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究2年目では、企業の健診事業と合同で働く人々における自己肯定感・幸福感ならびに過重労働・職業性ストレスを複数のバイオマーカー(サイトカイン産生量、CTRA遺伝子群の発現量)を継続的に評価した。当初、5月の健康診断に併せて実施を予定していたが、コロナ禍により8月末に実施した。計画よりも参加人数も少なかったが、400名弱の調査を終えた。血液データについては、CTRAの測定は行わなかった。サイトカインの測定は終え、現在データの整理を行っているところである。 解析結果の一部を、日本産業衛生学会ならびに日本行動医学会などで発表した。今後、国際行動医学会等で発表を行うと同時に、成果を国際学術雑誌に投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、職域における調査はコロナ禍の影響もあり、研究を予定通りに実施しにくい状況ではあるが、協力企業とも調整を繰り返しながら継続実施を検討している。同時に、労働者3000名程度に対して睡眠に関するインターネット調査も検討中である。現在、これまでのデータを解析し、新しい方針を決めるべきか研究チーム内でディスカッションを行っている。
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