研究課題/領域番号 |
19H01764
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
浅野 憲一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 客員研究員 (60583432)
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研究分担者 |
樫村 正美 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00550550)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, センター長 (60344850)
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 室長 (20510382)
庄司 正実 目白大学, 心理学部, 教授 (90327106)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コンパッション / コンパッション・フォーカスト・セラピー / うつ病 / 家族 |
研究実績の概要 |
大うつ病性障害は最も頻繁にみられる精神疾患の一つであり、自殺の危険因子としても知られている。しかし、薬物療法が奏功しない治療抵抗性うつ病患者が数多く存在し、認知行動療法によるカウンセリングの治療効果も限定的であることが示されている。その要因として、患者の持つ高い自己批判、自己への思いやりの低さ、家族関係の不良が指摘されている。自己批判と自己への思いやりに焦点を当てた心理療法としては、コンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)の有効性が報告され始めている。 本研究では、集団コンパッション・フォーカスト・セラピーのプログラムとマニュアルを作成予定であったが、コロナ禍に対応するために、大うつ病性障害患者に対する個人単位でのコンパッション・フォーカスト・セラピーのプログラムとマニュアルを作成した。個人単位でのコンパッション・フォーカスト・セラピーのマニュアルは国内外に存在しなかったため、過去に日本人を対象に作成された集団コンパッション・フォーカスト・セラピーのプログラムとマニュアルを元に作成された。 プログラムは心理教育、呼吸法、イメージエクササイズ、自己批判へのエクササイズなどを含んでおり、テキスト形式のものとなった。また、エクササイズのための音声ガイドも用意された。 家族介入プログラムについては、うつ病患者と家族の関係性についての先行研究、うつ病患者の家族に対する心理教育についての先行研究を参照し、作成を行っていたが、コロナ禍に対応可能なオンラインまたはオンデマンド形式のプログラムへの修正を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、当初予定していた集団形式での実施が不可能となったため、プログラムとマニュアルの修正を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
個人単位でのコンパッション・フォーカスト・セラピーについて、安全性と実現可能性を確認するための予備試験を実施する。また、予備試験を実施する際に用いる心理尺度の作成を行い、個人単位でのコンパッション・フォーカスト・セラピーの作用機序を検証する。
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