研究課題/領域番号 |
19H01764
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
浅野 憲一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 客員研究員 (60583432)
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研究分担者 |
樫村 正美 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (00550550)
中島 俊 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 研究生 (10617971)
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (20510382)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特命部長 (60344850)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コンパッション / コンパッション・フォーカスト・セラピー / うつ / 不安 / ランダム化比較試験 |
研究実績の概要 |
自分自身に対する冷淡さを和らげ、自分自身を承認し、思いやりを持った感情や感覚を育むことで、心理的問題の改善を目指すコンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)は英国で開発され、欧米を中心にその効果の検証が進んでいる。本研究では集団CFTプログラムの臨床試験を実施する予定であったが、感染症予防の観点から個人単位でのCFTプログラムのランダム化比較試験を立案し、倫理審査の申請を行った。承認を得た後、参加者募集を開始し、インフォームドコンセントを経て、適格性検査、組み入れ、割り付けを行った。2022年度末までにうつや不安症状を持つ23名の患者が組み入れとなった。ランダム化比較試験には24名が参加し、12名ずつCFT+通常治療群(CFT群)と通常治療群(TAU群)に割り付けられた。CFT群は10名、TAU群は11名に対して事後評価を行った。分析の結果、介入群は通常治療群と比して高い効果量を抑うつ症状において示した。 プログラムはインテーク面接1回、CFTセッションが12回の合計13回で構成され、厄介な脳、感情制御の3つの円などの心理教育に加え、安全な場所のイメージ、思いやりを持った他者、思いやりを持った自己、思いやりのこもった手紙など、CFTの主要な要素を含んでいる。主要評価項目はBeck Depression Inventory II(BDI-II)であり、副次評価項目としてPHQ-9、GAD-7、EQ-5D、コンパッション尺度、コンパッションへの恐れ尺度などが用いられている。また、並行してパンデミックとコンパッションに関する調査を行い、思いやりと精神的健康の関連についての経時的な変化が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に研究協力者の異動があったため、リクルーティングの遅れが生じたが、延長期間中にランダム化比較試験を終了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ランダム化比較試験によって個人に対するコンパッション・フォーカスト・セラピープログラムの有効性が示されたため、複合プログラム作成のための準備は整った。今後は重要他者に対する心理教育プログラムを用意し、複合プログラムの効果検証を行う。
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