研究実績の概要 |
脳内の同期的神経活動がヒトの知覚や認知に及ぼす効果を検証することを目的として、行動実験、経頭蓋磁気刺激、脳波測定を用いて実験を行った。視覚刺激に時間変調を加え、それにともなって知覚される時間長が変化することを確認した。さらに、時間変調を持つ視覚刺激観察時の脳波を測定し、視覚刺激が脳内の神経同期を引き起こしていることを明らかにした。その際、意識的には知覚されない脳内の神経同期活動が、知覚される時間長に影響を及ぼすことを見出した(Li, Ito, & Yotsumoto, 2020)。さらに、同時提示される複数の視覚刺激が相互に影響を及ぼすことを行動実験により明らかにした(Kawahara & Yotsumoto, 2020)。今後は脳波等を測定することにより、神経同期との関連を検証する予定である。また、感染症対策による外出規制により、高齢者を対象とした行動実験と脳波実験を中断せざるを得なかったが、オンラインプラットフォームを用いた国際共同研究に参画し、外出規制がヒトの心理や知覚に及ぼす影響を検証している。
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