学習性の自発行動が消去される際に生じる連合構造の変化を、動物を用いた厳密な実験統制のもとで明らかにすることを目的とした。自発行動の区分として連合学習理論で想定される「目的的行動」と「習慣的行動」が消去随伴性に対してどのように変化するかを捉えることを目的とした。成果として、ある自発行動が消去された後に文脈変化に対して再出現する更新効果について2つの知見が得られた。まず、行動の再出現は対象行動が文脈により階層的に制御された結果であり、文脈刺激と行動とが消去において連合的に競合した結果ではないことを示した。また、習慣行動と目的的行動はそれぞれ、同一の連合構造を保って再出現することを明らかにした。
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