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2020 年度 実績報告書

レム睡眠とノンレム睡眠がエピソード記憶形成に果たす異なる役割の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19H01776
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

甲斐田 幸佐  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80586264)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード睡眠 / 記憶
研究実績の概要

記憶は、再生されると変容する性質を持っている。記憶は、覚醒中だけでなく睡眠中にも再生されるので、睡眠中にも変容している可能性が高い。特に、レム睡眠中の脳の状態は覚醒中に近く、記憶は夢として再生されやすいため、「記憶の変容は、ノンレム睡眠中と比べて、レム睡眠中で大きい」(仮説1)可能性がある。一方で、ノンレム睡眠中には記憶の固定が生じることがわかっている。したがって、記憶は「ノンレム睡眠中に固定され、レム睡眠中に変容される」(仮説2)というサイクルを通して形成されている可能性がある。本研究の目的は、ヒトを対象として、睡眠中のエピソード記憶の固定と変容をノンレム睡眠とレム睡眠を区別して計測し、上記仮説1および2を検証することである。記憶は、記銘(encoding)、固定(consolidation)、再生(recall)のサイクルを通して形成される。一方で、記憶は、再生されると変容することが知られている。特に、エピソード記憶は、経験したことに関する口述可能な記憶であり、変容しやすい(Loftus, Learning & Memory, 2005, 12: 361-66)。動物実験では、エピソード記憶は、覚醒中だけでなく、睡眠中にも再生されることが知られている(Wilson et al., Science, 1994, 265: 676-9)。再生され、変容した記憶も、記憶形成サイクルに組み込まれることを考えると、エピソード記憶の変容は、覚醒中だけでなく、睡眠中にも生じている可能性が高い。しかし、睡眠中の記憶の「変容」については、分かっていないことが多い。本年度は、夜間睡眠実験で取得したデータを分析し、統計解析を行なった。また、覚醒条件データ取得のための実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症対策の影響で、実験を実施しにくい環境であったため、データの取得に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

今後は、データの取得を推進し、取得したデータを詳細に解析し、論文として発表する方針である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Counteracting effect of verbal ratings of sleepiness on dual task interference.2020

    • 著者名/発表者名
      Kosuke KAIDA, Takashi ABE, Sunao IWAKI
    • 雑誌名

      Industrial Health

      巻: 58 ページ: 443-450

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [図書] 睡眠学「8章 精神運動機能」2020

    • 著者名/発表者名
      甲斐田幸佐
    • 総ページ数
      712
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      4254301200
  • [図書] 睡眠学「10章 睡眠と記憶・学習」2020

    • 著者名/発表者名
      甲斐田幸佐
    • 総ページ数
      712
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      4254301200

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公開日: 2023-12-25  

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