研究実績の概要 |
A. Alekseev, 久野雄介, F. Naef との共同研究によって、Turaev による gate derivative を改良した double gate derivative を導入し、コンパクト曲面の 任意の gate system について随伴する framing を発見し、その framing に関するトゥラエフ余括弧積の形式性定理の double gate derivative をもちいた幾何学的別証がえられた。 次に、高次ループ演算については、当初、自由ループでの定義を目指した。国内外の研究者との討論を重ね、試行錯誤をくり返したが、自由ループであることが原因で、Reidemeister 3 に対応するムーブでの不変性が得られず、自由ループでの高次ループ演算の構成はひとまず断念した。2020年2月に点付きループで新しいと思われる高次ループ演算を発見した。高次元化を目論み、ストリングトポロジーの専門家の招聘を試みた。当該専門家の事情で来日を 20年度に延期したところコロナ禍が発生し招聘を断念した。さらに、この演算は2021年度に既存の演算に含まれることも判明し、事故繰越分は使用を断念した。その後、久野と共同で、点付きトゥラエフ余括弧積のsecondary不変量を発見している。 A. Soulie との共同研究によって、写像類群のねじれ係数安定コホモロジー群であって、自明係数安定コホモロジー代数の上で自由加群ではない例を発見し、その例について自明係数安定コホモロジー代数上のトーション群を計算した。 研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」を開催した。また、国際研究集会「Johnson homomorphisms and related topics 2019」、研究集会「葉層構造の幾何学とその応用」および研究集会「リーマン面のモジュライ空間の諸相」を共催した。
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