研究実績の概要 |
前年度共同研究者久野と発見した secondary な点つきトゥラエフ余括弧積を情報はそのまま保ちながら簡易化することができた。 引き続き、共同研究者 Arthur Soulie とともに、曲面の単位接束のホモロジー群の d 次外積に値をもつ写像類群のねじれ係数安定コホモロジー群の自明係数安定コホモロジー代数上の Tor 群の計算を行った。計算の実行には、あるフィルトレーションの導入や、Tor_0 の計算の枠組みの準備などが必要となった。d=5 からは問題はさらに複雑になったが、当面の我々の限界であるd=5までは計算を完遂する目処がたった。d=1 だけ先行させてプレプリント arXiv: 2211.02793 として公開した。 閉リーマン面のモジュライ空間上の実数値函数である Kawazumi-Zhang 不変量は、モジュライ空間上の標準的なテンソル場に一般化され、その縮約として表示される。これについての代表者の 2016年の口頭発表を受けて d’Hoker-Schlotterer が論文Comm. Number Theory and Physics, vol.16-1, 35-74(2022) を書いており、我々の構成について記録に残すためプレプリント(arXiv: 2210.00532)として公開した。とくに応用として、このテンソル場が第一 Mumford-Morita-Miller 類を表示することと、種数 3 の Kawazumi-Zhang 不変量の振る舞いを書き加えた。 研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」2021年8月と2022年9月の2回主催し、国際研究集会「The 14th MSJ-SI : New Aspects of Teichmuller theory」を 2022年7月に、研究集会「葉層構造の幾何学とその応用」2021年10月に共催した。
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