研究課題/領域番号 |
19H01787
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
糟谷 久矢 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80712611)
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研究分担者 |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (30252571)
藤野 修 京都大学, 理学研究科, 教授 (60324711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ホッジ構造の変動 / 非可換ホッジ理論 / 佐々木多様体 |
研究実績の概要 |
本年度は複素多様体Mをパラメーターとする混合ホッジ構造の変動全体のカテゴリーあるいはモジュライ空間に非可換混合ホッジ構造と呼ばれ る構造を定め、多様体Mの幾何学的性質を用いてその構造の詳細を研究する。Simpson、望月等によって構築されたPoly-Stableなヒッグスバン ドルとSemi-Simpleな平坦ベクトルバンドルをPluri-Harmonic(あるいはHermitian-Einstein)計量によって特徴付ける純粋な非可換ホッジ理論 を用いて、純粋なホッジ構造の変動全体のテンソルカテゴリーに純粋な非可換ホッジ構造を定め、純粋なホッジ構造の変動全体に値を取るようなDe Rham-Dolbeault Double Complexにテンソル構造から定まるDifferential Graded AlgebraのHodge理論を定式化し、そのSullivan Minimal Model上 のMorganの混合ホッジ構造を構成できるようになった. 前年度に構築したコンパクト佐々木多様体上の非可換ホッジ対応を応用して, 第一BasicChern類が負かつMiyaoka-Yau型の不等式が等式となるコンパクト佐々木多様体のUniformizationを証明した。この結果はSimpsonやHitchin等によるUniformizationのHiggs束による構成の佐々木多様体版であると同時にGeigesやBelgunによって与えられた3次元コンパクト佐々木多様体の分類のある種の高次元版と考えることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ホッジ構造の変動全体に値を取るようなDe Rham-Dolbeault Double Complexについて理解がすすんだ。さらに佐々木多様体の非可換ホッジ理論が確立されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
純粋なホッジ構造の変動全体に値を取るようなDe Rham-Dolbeault Double Complexにテンソル構造から定まるDifferential Graded AlgebraのHodge理論は通常のDe Rham-Dolbeault Double Complexよりも多様な微分作用素によって解析されるべきものである。これをHigher Page Hodge理論的見地から調べる必要がある。より詳しくは、それらの微分作用素たちがなすLie Super Algebraの超表現的見地から複体の構造定理を導き, 種々のSpectral SequenceやFiltrationの性質を理解する. 、純粋なホッジ構造の変動全体のテンソルカテゴリーによって代数的に捉えられている対象について、無限次元ベクトル束理論的からも解釈する必要があることが判明したので、Universalなホッジ構造の変動について無限次元ベクトル束として適切な構造を考える。その上で, Sullivan Minimal Model上 のMorganの混合ホッジ構造やそこから定まる非可換ホッジ構造の無限次元の解析的理論を構築する.
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