研究課題/領域番号 |
19H01802
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 昌晃 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90292408)
|
研究分担者 |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
大浦 学 金沢大学, 数物科学系, 教授 (50343380)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 自己双対符号 / 組合せデザイン / 格子 / 線形補双対符号 |
研究実績の概要 |
代数的符号理論の重要な対象としてself-dual code があり、代数的および組合せ論的な研究が活発に行われている。本研究課題では、研究代表者が今までに精力的に研究を行って来た self-dual code を研究対象の中心とし、組合せ論の研究における基本的なテーマでもある存在と分類について取り組んでいる。特に、整数論との関係も深いunimodular lattice やdesign などの組合せ構造との関連を重視するだけでなく、新たな研究対象への応用(関連)の確立を目指している。また、最近、暗号理論への応用が見つかったlinear complementary dual (LCD) code や代数的符号理論の範疇に留まらずに新たな応用や実用化が期待される量子符号などの研究にも取り組み、新たなる展開を目指して代数的符号理論の総合的な研究を行う。 self-dual code の分類と構成は、基本的なテーマではあるがcode 自身が非常に簡単な構造をしていることから他の分野での問題をcode の構成や分類に帰着させて解決させることが出来る可能性があり、他の分野との関連性で非常に威力を発揮する重要なテーマである。これまでの結果を基盤にして、新たな構成方法の構築を行うことで、self-dual code の構成、特に s-extremal self-dual code の構成を行った。また、s-extremal optimal unimodular lattice の構成を目的としたself-dual code の構成を行った。 linear complementary dual (LCD) code はMassey によって1996 年に導入されたクラスであるが、2010 年にCarlet-Guilleyによって暗号理論への新たな応用が新たに見つかったことで近年非常に活発に研究が行われている。今年度は quaternary LCD code の分類を行うための方法の確立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要の欄で述べた通り、今年度はこれまで精力的に行って来た self-dual code の研究に加えて、最近、取り組み始めたlinear complementary dual (LCD) code の研究を推進した。この LCD code は Massey によって1996 年に導入されたクラスであるが、2010 年にCarlet-Guilleyによって暗号理論への新たな応用が新たに見つかったことで、ブレークスルーを起こしている研究対象である。これまでに研究代表者および分担者を中心としてこれまでに行ってきたself-dual code の研究を基盤として、LCD code の構成および分類問題に取り組んだ。代数的符号理論の重要な符号のクラスである self-dual code の研究とともに近年活発な研究が行われている LCD code に関する研究にも取り組めていることから順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題は5年の研究期間であり、そのうちの1年目と2年目を終えて、本研究課題のメインの研究対象 self-dual code の研究に加えて、最近、取り組み始めたlinear complementary dual (LCD) code に関する成果が想定以上に得られているので、順調な研究が進められていると判断している。近年、活発に研究が行われている LCD code の研究を中心に行うことで、世界の流れに遅れないようにする。また、今後は、組合せデザインや格子への self-dual code の応用について、さらに活発な取り組みを行いたい。
|