当該申請研究課題『燃焼前線および火災旋風の動く曲線を用いた追跡法の確立』は,界面の直接法による追跡という学問分野の枠組みに包摂され,燃焼特有の個別的現象の学理探究がその核心となる.燃焼はミクロな化学反応がマクロに可視化された現象である.したがって,燃焼現象の本質の探究は,ミクロな現象がどこまでマクロなモデル方程式に反映されているのか,モデル方程式におけるパラメータは適切に選択されているのか,そして,モデル方程式は定量的かつ定性的に解析することができるのか,という「問い」に対して真摯に回答していくことに他ならない. このような研究目的でスタートし,2021年度は,燃焼現象に関する基礎的なモデリングの研究,モデル方程式の解の挙動を追跡する数学的研究,蛇腹折りの紙の燃焼研究,および実験的研究がなされた.
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