地震の発生機構に関する科学的理解は、日本のみならず地震発生帯に位置する国々にとっての重要課題である。本研究は地震の発生機構解明に関する基礎研究として位置付けられる。本研究のテーマである、わずかな応力変化が地震発生率や規模別頻度分布に影響を及ぼす現象は防災・減災にとっても大きな意義を持っている。本研究の成果をさらに発展させることで、応力摂動への応答に関する観測データから断層に働く摩擦力の性質を(ある程度)拘束できるようになる。地震発生過程に関する謎の多くは断層に働く摩擦力が分からないことに起因しているので、ここから地震の発生機構に関する科学的理解がさらに進むことが期待される。
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