研究課題
これまでの研究で、グラフェン系は六方格子、長方格子、斜方格子の周期で構造修飾を施すことにより、本来の第一ブリルアンゾーン内に二つ存在するディラックコーンが同一の波数ベクトルの点で重なることにより半導体化し、バンドギャップを持つことが判明した。そして、精密な第一原理電子構造計算に基づいて、いくつかの系について系統的に構造周期を変化させることでバンドギャップがどの様に変化するかを詳細に調べてきたが、興味深いことに、長方格子の場合、長辺と短辺の積、即ち、単位胞の面積のみでほぼ定まるバンドギャップが現れることが判明した。また、前年に判明した蜂の巣格子の周期で三角形型の穴を開ける構造修飾を施した場合のバンドギャップ値の特異な変化について、さらなる解析を進めた結果、グラフェンナノリボンとの関連のある興味深い系であることが判明した。実験研究展開では、イオンビームを用いたグラフェンの周期構造修飾実験において、実際に設計した通りの周期で構造修飾が行われたことをSTM測定により確認することができた。今後、構造修飾の周期をより短くすることで、半導体素材として有用なバンドギャップ値を持つグラフェンの合成に繋がる、基本となる成果と位置付けられる。さらに、Cu基板上のグラフェンにおいて、グラフェンと基盤のCu表面の間にBiを周期的にインターカレーとすることに成功した。これも、インターカレーションによるグラフェンの電子構造改変と半導体化研究の基本となる成果と位置付けられる。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件)
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