研究課題
研究の最終年度となる2022年度は、本研究期間を通して行ってきた研究をまとめて成果として公表すると共に、研究開始当初の計画を超える新物質について新たな研究の取り組みを開始した。まず、継続して開発を行ってきた小型汎用パルス磁場発生装置、およびこれを用いたパルス磁場中核磁気共鳴分光装置については総説にまとめ公表した。さらに発展的な装置開発として、昨年度より利用可能となった電気二重層コンデンサを電源に用いることで実現するパルス磁場の長時間化を進展させた。本研究で当初計画していた小型パルス磁場発生装置Triple-30では磁場発生時間は30ミリ秒程度であったが、新たな電源の導入及び新電源に対応したパルスマグネットを製作することで磁場発生時間を1.5秒まで延長することに成功した。到達磁場は10テスラ程度が限界であるが、長い磁場発生時間を活用することで、核スピン格子緩和時間が長いためにこれまでは測定が不可能であった弱磁性体などのNMR測定も可能となり、測定対象が大きく拡張された。強磁場物性測定に関しては、研究開始当初計画していた磁性体やマルチフェロイック物質については測定を完遂し成果公表の段階に入ったため、興味深い強磁場物性を示す新たな物質系の開拓を開始し、20テスラ近傍で特異な磁気特性を示す量子磁性体について、まずは定常磁場を用いたNMR測定を行った。その結果、十分な信号強度、短い核スピン格子緩和時間といったパルス磁場NMR測定を成功させるための条件が満たされており、今後の研究により新奇磁気状態にアプローチできることが確かめられた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 6件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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