非平衡量子系の研究が近年急速に進展しており、物性物理学のフロンティアとして基礎的で重要な課題を提出している。特に、物質に多様性と機能性をもたらす強相関系における非平衡量子現象はそのフロンティアに位置する重要なテーマであり、これに関する理論構築は、実験・理論の両側面から強く望まれる重要課題である。本研究で得られた非平衡強相関系の理論、中でもフロケ理論による新奇現象の探索、強相関の非エルミート系の理論構築、実時間ダイナミクスでの非平衡量子現象の研究は、非平衡と強相関効果の協奏により初めて生じる新奇な現象を含んでおり、物性物理の基本問題に関わる重要なものであると考えている。
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