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2021 年度 研究成果報告書

ディラック電子系強磁性体の自発磁化と結合した異常量子輸送現象の開拓

研究課題

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研究課題/領域番号 19H01851
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
研究機関大阪大学

研究代表者

酒井 英明  大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20534598)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード磁性ディラック半金属 / 自発磁化 / 異常ホール効果 / スピン・バレー結合 / ワイル磁性体 / 異常ネルンスト効果
研究成果の概要

本研究では、磁性層とディラック電子層が積層した層状磁性体を対象に、ディラック電子特有の量子輸送現象を自発磁化で制御できる(弱)強磁性体の新規開拓を行った。スピンキャントによる弱強磁性を示すBaMnX2では、X正方格子がわずかに歪み、面内方向に極性が生じることを見出した。この歪みは自発磁化に加え、スピン軌道相互作用によりディラック電子にスピンとバレーのロック状態を引き起こすため、弱磁場で特異な磁気輸送現象が発現する。また、磁性と強く結合する反強磁性体EuMnBi2では、Euサイトを他の希土類元素で部分置換することで、自発磁化やフェルミエネルギーを系統的に制御できることを実証した。

自由記述の分野

物性物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本系の弱強磁性(スピンのキャント)の要因が、極性をもつ格子歪みであることを突き止めた結果、スピンと運動量がロックしたディラック電子が実現していることを解明できた点は、当初の予想外であり、学術的に重要な発見となった。さらに、この特異な電子状態と自発磁化の結合に起因すると思われる新しいホール効果やネルンスト効果の兆候を観測できた点は、将来のデバイス応用に向けて重要な成果である。また、系統的なキャリア濃度制御に成功し、熱電・熱磁気発電の最適化を実証した点は、磁性との強い結合と高移動度が両立する本物質系は、幅広い応用用途が期待できることを示す結果となった。

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公開日: 2023-01-30  

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