研究課題
最終年度は研究成果公開の年と位置付け、各種学会等で招待講演等の形で広く結果の周知を行った。コロナ禍の影響で実施が可能となるまで延期となっていたICPP2022招待講演が現地開催の運びとなったほか、国内でもプラズマ核融合学会の現地開催が再開し、情報交換が加速する最終年度となった。本研究で得られた成果の集大成は以下に要約される。1:電子系は磁気リコネクションでつなぎ変わるポロイダル磁場成分がなす平面に垂直なトロイダル方向成分の磁場であるガイド磁場の影響のもと、プラズマのポテンシャル(電位)が低い領域に高エネルギー成分の挙動が集中する形で構造を形成した。2:イオン系は逆の特徴となり、電位分布から予測される静電加速シナリオによる低ポテンシャル域ではなく、逆にポテンシャルが高い領域に高イオン温度が現れる特徴的な構造が確認された。磁気リコネクションが発生する平面内の、ポテンシャルドロップ起源の面内電場による静電加速説が優勢なシミュレーション研究と異なり、ガイド磁場リコネクションのイオン加熱はリコネクションに伴って発生するトロイダル電場(リコネクション電場)の磁力線方向成分の寄与が支配的となり、この軌道のもとで加速された時はイオンはむしろ高ポテンシャル領域で加熱されるという、従来の予測を裏切る興味深い結果が実験主導で発見された。またイオン加熱にはトロイダル効果の影響も現れ、径方向内側の高磁場領域では径方向外側の弱磁場側よりも大きな加熱が得られ、さらにこの特徴は合体・リコネクションアウトフローのエネルギー変換完了後も一定時間持続した。強磁場側と弱磁場側や体積や磁場強度が大きく異なる低アスペクト比な球状トカマクの特徴を反映した興味深い構造が実験的に確認され、IAEA-FEC2023国際会議の日本代表論文として採択、同会議後にNuclear Fusion誌等において論文出版を行う予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 7件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
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