研究課題
研究の目的は、高強度レーザーの対向照射による高効率プラズマ加熱を検証することである。幅広い密度領域 (カットオフ密度以下から固体密度以上) のプラズマに対して、高強度レーザーの照射配位、交差条件、及びパルス幅等をパラメータとして、これまで体系的に明らかにされていない高強度レーザーの対向照射による加熱の寄与を見極める。最終年度2021年度は、(1)繰り返しレーザー照射用ワイヤターゲット位置調整システムの改良と、(2)大型高強度レーザーLFEXによる対向照射実験を実施した。(1)について、2020年度に整備した連続供給ワイヤターゲット送り機構の自動アライメントにより、直径50μmのターゲットがレーザー照射位置から25μm以内にある条件を、確率90%以上で達成した。現在、位置補正に30秒程度を要しており、目標5秒以下の高速化に着手した。さらに、関連テーマである自由落下連続供給ターゲットシステムの対向照射10Hz運転の成果を論文化した。一方、当初予定の超高強度レーザー対向照射実験は、レーザー故障とコロナ禍による修理遅延のため、先送りとなった。(2)については、ターゲット開発とレーザー対向照射系を構築した。核融合中性子と特性X線輻射計測を同時に計測可能な重水素化Cuドープターゲット(ドープ量0.6 at%)の開発に成功し、論文投稿中である。照射系については、エネルギー伝送率50%が期待できる低強度プラズマミラーによるLFEX対向照射システムを構築し、論文化を進めている。対向ビームの時間交差はプリアンプ光の干渉縞計測からパルス幅1.5ps以内であること確認し、空間交差については、X線ピンホールカメラによるレーザー照射スポット発光から、スポット直径70μm以内で交差したことを確認した。現在、高速電子、高速イオン、核融合中性子結果から、対向照射による加熱高効率化の解析を進めている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Fusion
巻: 62 ページ: 036028
10.1088/1741-4326/ac3d69
電気学会誌
巻: 141 ページ: 563-566