研究課題
本研究課題では、先進ヘリカル配位におけるベータ効果を実験的に検証する事を目的とした研究を進めた。本年度は(1)高密度プラズマにおける輸送改善と高ベータプラズマ生成の調査、(2)新しいプラズマ着火手法の物理の理解について進展が得られた。以下にそれぞれの概要を記す。(1)本研究課題で提案したガス導入法(高強度単パルスガスパフ:HIGP)を用いることで、NBI加熱プラズマで中心電子温度が350eVを超え、かつ尖塔化する現象が見いだされた。通常のガス供給法によるプラズマ生成と比べると熱輸送係数として数分の一以下であり、ヘリカル系配位においてNBI加熱のみで電子系の熱輸送が改善された初めての事例であることを示している。加えて、この現象は広い密度範囲(平均電子密度で2-6x10^19 m^-3)で観測されることがわかり、高ベータプラズマ生成にとっても有効な運転方法であることが示された。この粒子補給法を利用して高ベータプラズマ生成をトライしたところ、磁場強度に対するベータ値の依存性が観測され、0.85Tで最も高いベータ値1.2%が観測された。(2)本研究課題で提案された新しいプラズマ着火手法では、電子サイクロトロン共鳴のない条件でマイクロ波を入射することで実現している。このような条件下で電子の加速機構を調べたところ、ベキ関数型のエネルギースペクトルの観測、およびslow heatingの特徴がみられ、統計加速が起きていることがわかった。この現象は高強度レーザーを個体やガスターゲットに照射し高速の荷電粒子を生成する統計加速と比べると、規格化した電界強度換算で1/100以下の強度で実現できており、地上での新しい統計加速手法として新たな展開が期待できる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) 備考 (3件)
Plasma Physics and Controlled Fusion
巻: 66 ページ: 022001~022001
10.1088/1361-6587/ad1ae6
Plasma and Fusion Research
巻: 19 ページ: 1202008~1202008
10.1585/pfr.19.1202008
Physics of Plasmas
巻: 30 ページ: 112505-1-11
10.1063/5.0167315
Nuclear Fusion
巻: 64 ページ: 016036~016036
10.1088/1741-4326/ad0a0c
Review of Scientific Instruments
巻: 94 ページ: 093501-1-8
10.1063/5.0162649
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-04-06-0
https://www.iae.kyoto-u.ac.jp/new-iae/NewsRelease/JP/2023/02/23-110000.html
https://www.iae.kyoto-u.ac.jp/plasma/pladys/index.html