研究課題
周辺部高速カメラシステムで得られた画像に対して特異値分解法を適用し、揺動伝播の磁力線方向とこれに垂直方向成分に分離することが可能となった。また、イメージファイバと光学系を改良することにより、以前よりも2倍程度の信号強度を得ることが可能となった。昨年度に見つかった乱流伝播において詳細な解析を進め、乱流伝播の発生は輸送障壁における径方向電場のシアによって大きく影響を受けていることが明らかになった。一昨年度に見つかった周辺磁気島の半径位置の最適化と不純物(ネオン)を外部から導入した運転モードにおいて、さらに詳細な実験を行った。その結果、放射損失量と磁気島での電子温度は、ネオンの導入量の増加に対して不連続に変化することが確認された。一方、周辺部に磁気島が無い場合には、放射損失はほぼ不純物の導入量に比例して増加する。この結果は、周辺部の放射損失量が単純な不純物多荷イオン密度の関数ではなく、磁場構造と各元素固有の冷却関数の非線形性に強く依存していることを示唆している。周辺磁気島が不純物多荷イオンの放射分布形成に果たす役割を熱的不安定性の観点から考察を行った結果、磁気島のX点において不安定性の線形成長率が大きくなることが分かった。これは、一昨年度に行った非定常数値シミュレーションにおいて、放射冷却がX点近傍から始まることとも一致している。また、イメージング分光器で計測された不純物イオンからの発光分布も、デタッチメント遷移時にはX点付近で放射損失が促進されることが確認された。以上のことから、周辺磁気島による放射損失の形成メカニズムについての理解が大きく進展した。周辺部に同様の磁気島構造を有するステラレータ装置W7-Xとの比較を進めるため、同装置における実験提案を行い、また数値シミュレーションを進め、W7-Xにおいても周辺磁気島のX点付近で放射損失が増加する傾向を初期結果として得た。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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