エレクトロニクスに代表される現代の我々の生活を支えるテクノロジーの多くは量子力学によって築かれたものであると言える。場の量子論はこの量子力学の発展の末に得られた理論で、ミクロの世界の物理を記述する基礎理論であるが、今でも理論的に解明すべき謎や課題が多い。一方、あらゆる素粒子が一種類のひもから生じると考える弦理論は、物質や力を統一する究極の統一理論の候補と期待されているばかりではなく、場の量子論との深い関係が指摘され、盛んに研究されている。我々の研究はこれらの理論に対する新たな知見を得るもので、将来的には物質や時空の起源や、宇宙の誕生の秘密の解明につながると期待している。
|