2022年4月にはRIBFのOEDO/SHARAQ装置を用いて実験を行った。RIBFで供給される130SnビームをOEDO装置を用いて減速・収束後に、イタリアの共同研究者から供給された薄い大型CD2標的に照射した。位置核子移行反応で生成された陽子を、本事業で開発したSSD-CsI(Tl)からなる反跳粒子検出器TiNAで測定した。オンライン解析で、CsI(Tl)とSSDとの相関が観測され、無事に動いていることを確認した。また生成後の高励起状態131Snからの崩壊様式をSHARAQスペクトロメータで測定した。 実験には国内からは東北大、九州大の修士課程の学生が参加した。またコロナ禍の制限中ではあったが、フランス、イタリアからの共同実験者が現地参加し、中国、韓国からはオンライン参加があった国際共同実験を実現した。 実験結果は、さっそく、2022年秋に行われた物理学会秋季大会や、2022年度末に行った国際会議NUSPEQ2023にて研究協力者が発表を行った。また、研究代表者は、2023年3月に中国の研究施設で、本研究課題についてセミナーをおこなった。 また、本研究の一部として開発した新型重イオンビーム位置感応型検出器SR-PPACについて、国際学会にてポスター発表するとともに、proceedingsが発表した。 また、2月には本研究課題を中心とした、宇宙理論、観測とを交えてr-process元素合成過程の現在の研究について意見交換をする研究会を東京大学の小柴ホールで開催した。
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