研究課題/領域番号 |
19H01905
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 純一 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (80376699)
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研究分担者 |
江成 祐二 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (60377968)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Trigger / Readout electronics / FPGA firmware / Calorimeter / ATLAS / LHC |
研究実績の概要 |
新しいデジタルトリガー読み出しシステム(約34000チャンネル)のインストールを2021年9月に完了した。定期的に取得する宇宙線やCalibrationシステムのデータ、2021年10月、2022年4月の実パイロットラン(Beam Splash)、2022年5月の900GeVの陽子・陽子データ、そして、2022年7月から11月までの13.6TeVの陽子・陽子データと様々なデータを用いてこのシステムの動作検証を実施した。本システムはトリガーとして機能するため、固定レイテンシ(125ns)でエネルギーと時間情報(タイミング)を正しく発行(算出)する必要がある。このシステムではオプティマルフィルターという手法を使ってエネルギーとタイミングを算出するが、そのための設定値をCalibrationデータから決定した。動作確認用のモニターツールを開発した。物理解析用のメイン出力(従来から使われてきた検証済みシステム)と比較することでエネルギーが適切に算出できることを確認した。タイミングはバンチレベルのO(25ns)の調整からスタートし、最終的にはPhase調節によってO(1ns)のレベルで調整することに成功した。このような地道な検証を行い、約34000チャンネルのうち99.31%が実用可能であることを示した。また、エネルギーとタイミングを計算するFPGAファームウェア開発において、より適切にベースラインを更新する仕組みを導入することに成功した。2023年の実験からはこの新しいデジタルトリガーが実際のデータ取得に使われる予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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備考 |
本研究課題に関連して、江成助教は「ATLAS Outstanding Achievement Award 2022」を受賞し、液体アルゴンカロリメータ検出器アップグレードでの貢献が称えられました。
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