研究課題/領域番号 |
19H01913
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
牧村 俊助 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (10391715)
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研究分担者 |
能登 裕之 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (50733739)
阪本 辰顕 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (80403848)
長江 正寛 公益財団法人応用科学研究所, その他部局等, 主任研究員 (60304341)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | タングステン材 / 耐熱 / 再結晶脆化 |
研究実績の概要 |
タングステンに炭化チタンをメカニカルアロイングによって強制固溶させ、その後、焼結、粒界すべり処理を行うことによってタングステンの弱い粒界を強化し、再結晶脆化しないW-1.2TiCを開発してきた。炭化チタンよりも耐熱性の高い炭化タンタルを代わりに強制固溶させ、より耐熱性の高いW-3.3TaCの開発を目指している。炭化タンタルの配合量は原子百分率で炭化チタンと合わせたためである。 初めに炭化ジルコニウムも試作してみたが、酸素や窒素の混入が多く、予想通りの性能を達成できなかった。しかしながら、電解研磨の条件や評価手法、観察手法などを確立することができた。 炭化タンタルの試作に関して、メカニカルアロイング時の粉末の格子定数の変化をX線回折装置で確認し、メカニカルアロイングに用いるボール径や時間に関して知見を得ることができた。炭化タンタルに関して焼結を行い、粒界すべり処理を無事に終えることができた。しかしながら、製造された試料は現段階では室温で延性を示すほどの強度は有しておらず、粒界強化の証拠であるK-Sの方位関係も確認できなかった。 しかしながら、製造に関する知見や試験に関する様々なデータを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試料の製造法、試料加工・研磨法、透過型電子顕微鏡による観察手法などが確立されつつある。また、メカニカルアロイング時の格子定数の変化からメカニカルアロイングの進行状況が明確に確認できるようになった。 今後の方向性を再検討することができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、炭化タンタルではなくチタンと同族であるハフニウムを含む炭化ハフニウムを採用してみる。これによって、族の違いによって粒界が強化されていないのか情報を得ることができる。炭化ハフニウムは炭化タンタルよりも耐熱性は高いと考えられ、より耐熱性の高い材料を製造できる可能性もある。
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