研究課題
本研究の目的は、スペース重力波アンテナDECIGOが、宇宙誕生直後のインフレーションの期間に生成された原始重力波の検出をより確実に行えるように、我々が考案した、光バネを用いた量子ロッキングの有効性を実証し、DECIGOの目標感度を改善することである。前年度までに、理論面では、光バネを組み込んだ量子ロッキングの量子雑音のシミュレーションを行い、設計パラメータの最適化を行っていた。また、実験面においては、1枚の鏡を共有する形で2台の光共振器の動作が完了していた。2021年度には、理論面においては、DECIGOの設計パラメータを量子雑音や熱雑音などの基本的な雑音と白色矮星連星からの重力波雑音を考慮して、信号雑音比を最適化するためのフレームワークを構築しこれを行った。また、輻射圧雑音を全周波数帯域でキャンセルするために、輻射圧雑音の位相をフリップする手法ついて検討し、ビームスプリッターなどを使わない単一光路の条件のもとでは、それが不可能であることを証明した。また、実験面においては、主光共振器と補助光共振器の2台の光共振器に、輻射圧雑音とショットノイズを模擬するために電気的に生成した模擬量子雑音を印加した。そして、2台の光共振器の干渉計出力信号から、平方完成の手法により作り出した合成信号の信号雑音比が、全ての周波数において、2つの信号の信号雑音比の良い方と同じになっており、平方完成が有効に働いていることを確認した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件)
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