研究課題
今年度は,これまでのひさき衛星が取得してきた木星磁気圏に関するデータを総合的に解析し,磁気圏におけるプラズマの循環の原理に関する理論をまとめた.特に,衛星イオの火山活動の活発化が数か月オーダーの時定数で起きていることと,それに応じて木星内部磁気圏のプラズマ密度やその拡散速度が2倍以上に変動していることを示した.また,解析手法の高速化に向けた研究も行った.具体的には,これまでスペクトルの形状に対してフォワードモデリングを行うことでパラメタを最適していたのに対して,より自由度を減らして10本程度の輝線の明るさのみをフィッティング対象とすることで計算速度を短縮させる手法を確立させた.海外の研究者が主導するハッブル宇宙望遠鏡による木星衛星の観測にデータ解析およびプラズマ発光の理論的な観点から参画し,日本の木星磁気圏研究チームの存在感をアピールすることができた.また,一連のひさき衛星の成果をもとに,またひさき衛星の開発を通して得られた知見や反省点を基に,次世代の地球周回望遠鏡(LAPYUTA)に概念検討および基礎検討を進めた.その結果,惑星科学だけでなく,天文学や宇宙物理学の分野の研究者も巻き込んだ総合的な望遠鏡ミッションを提唱することができた.なお,このミッションは日本の時期探査ミッション候補としてセレクションを通っており,科研費の研究機関が終わってからも,様々な資金を基に検討を詳細化させる活動を行っていく.この活動の呼び水として,本科研費研究は大いに役立ったと言える.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Earth and Planetary Astrophysics,
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