研究課題
最終年度(繰越を含む)は下記の研究項目に取り組んだ。(1)新型赤外線中空ファイバーの精密性能評価:波長4~20μmで動作するSi:P 中赤外域非冷却2次元カメラや周辺の光学素子を本研究経費によって購入し、真空環境下で動作する広帯域赤外線イメージング分光器を構築した。この装置等を用いて、中空ファイバー自然光入射時の透過率をカットバック法により導出し、入射赤外光のF比を20において、透過率が80~90%/mに達することを明らかにした。東北大学に現有の中間赤外線ヘテロダイン分光観測装置MILAHIに適用し、初めてファイバーガイドによる赤外線ミキサーの動作検証に成功した。その成果は国内学会で発表し、査読付き英文投稿論文にまとめた。(2)上記のイメージング分光器と赤外線ファイバーおよび広帯域遠赤外線光源を用いて、研究代表者が独自開発した冷却イマージョングレーティング(IG)分光器GIGMICSより広い観測可能波長範囲10~20μmに対応するIGの材料候補:CdZnTeの極低温での透過率測定を行い、高抵抗CdZnTeが遠赤外線IGの材料として有力であることを明らかにした。その成果は国内学会で発表し、査読付き英文投稿論文2報にまとめた。(3)PLANETS望遠鏡主鏡の最終研磨と3点引きずり形状計測:ロジストラボ社のロボットアーム研磨機を用いて、2020年度に引き続いてクリアセラム製の口径1.85m軸外し放物面鏡材最終研磨と形状計測に取り組んだ。新機構を有する研磨パッドや、直線計測パスと相補的な計測が可能な円環計測パスの設計と開発に取り組んだ。その結果、形状計測の信頼性の飛躍的な向上に成功した。現在のPLANETS主鏡面の形状誤差は109nmであり、今後の総研磨時間300時間で、目標形状誤差 45 nm RMSの達成が期待できることを明らかにした。これらの成果は国内学会で発表した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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