月着陸実証機SLIMでは岩石を可視近赤外分光観測する。人工岩石の観測等により深成岩の鉱物粒界は有効な反射面でないことがわかった。一方天然の火成岩では分光観測の感度を上げる反射も多く見られる。岩石組織と吸収特徴の関係を整理した。 また、月極域探査LUPEX計画の準備として鉱物表面に微小氷粒を着氷させる技術を確立した。人工凍土の分光観測により、レゴリスの反射スペクトルと粒径から、氷の検量線を推定する手法を提案した。さらに、真空中での着氷実験により氷が粒状に着くことが確認され、水分子が着表時に地下に潜り込む可能性も示唆された。 成果は、SLIMのマントル物質観測技術やLUPEXの氷検出技術に還元される。
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