研究課題
本研究は、我が国初の、地球外、特に火星表面での生命の兆候(微生物を含む有機物)を検出する装置として開発を進めている生命探査顕微鏡(Life Detection Microscope: LDM)の実験室レベル試験機(Bread Board Model: BBM)の製作と、科学目標(1 μm/pixelの分解能と10^4 cells/gの検出感度)の実現可能性を検証することを目的としている。BBMは、試料に蛍光染色液を添加する試料装置部、試料に励起光を照射する光源部、観察と撮像を行う顕微鏡部から構成されている。視野範囲は、1 mm×0.9 mmであり、試料装置部のローターを動かしながら試料を走査し蛍光画像を取得する。2020年度はBBMを構成する試料装置部などの機能試験を行った後、BBM全体を組み立て、試料を使った染色試験を行った。その結果、試料への染色液の添加から微生物蛍光画像の取得まで、一連の操作を遠隔で実施することができた。2021年度は、BBM全体を真空デシケーターに入れて実験を行い、火星大気圧(7 hPa)においても、BBMが正常に動作し蛍光画像を取得できることを確認した。また、検出感度を検証するため、模擬火星土として市販されているMGS-1 Mars Global Simulant (Exolith Lab)に、培養した細菌(B. subtilis)の菌液を10^4 cells/gになるように添加した試料を試料筒に入れ、染色液筒には、生菌検出用蛍光色素CFDA-AMを入れて実験を行った。その結果、試料筒および限外濾過筒でも微生物細胞が検出され、科学目標として設定した10^4 cells/gの試料でも検出できることが分かり、本研究の目的を達成することができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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