研究課題/領域番号 |
19H01979
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
芳原 容英 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10303009)
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研究分担者 |
菊池 博史 電気通信大学, 宇宙・電磁環境研究センター, 助教 (40783105)
牛尾 知雄 大阪大学, 工学研究科, 教授 (50332961)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トータル雷 / 極端気象 / 電波観測 / フェーズドアレーレーダー / 災害監視・予測 |
研究実績の概要 |
近年、全地球的な気候変動の影響により、国内外で豪雨や竜巻、ダウンバースト等の極端気象が多数報告されている。被害が甚大である大電荷量を伴う落雷の電荷量の遠隔推定についても低周波電波観測を用いて実施してきた。しかし、極端気象、大電荷量雷を発生する雷雲の特性把握は、発達が時間的に極めて速いため、現在データが一般公開されている気象レーダー観測における時間分解能では不十分かつ未解明のままである。そこで本研究では、現在日本最高の高時空間分解能を有するフェーズドアレーレーダによる雷雲観測と、雷放電の多周波電波の同時観測により、電荷量の大きな雷放電と雷嵐の気象学的特性を導出しその発生機構に迫る。本年度の研究実績として、コロナ感染拡大のために遅延していた、関東への LF帯雷標定装置の展開に成功、観測ネットワークを構築し連続観測を開始した。夏季雷の終了シーズンになんとか間に合い(9月上旬)、複数の気象イベントをとらえることに成功し、フェーズドアレーレーダデータと統合した初期データ解析を実施した。解析結果は良好であり、国内学会にて対外発表を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度まで、コロナ感染拡大のためにかねてから本申請の要の一つである観測装置設置が遅延していた。しかし本年度、関東への LF帯雷標定装置の展開に成功、ネットワークを構築し、連続観測を無事開始することができた。夏季雷の終了シーズンになんとか間に合い(9月上旬)、複数の気象イベントをとらえることに成功し、フェーズドアレーレーダデータと統合した、初期データ解析を実施することもできた。初期解析結果は大変良好であり、国内学会にて対外発表を行うことができた。したがって、研究進展の遅れを概ね取り戻せたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、令和2年度に申請者グループが関東に展開し連続稼働している、LF帯雷標定ネットワークと、フェーズドアレーレーダデータの統合解析をさらに進め、研究成果の対外発表を加速させる予定である。具体的には、咲年夏季の極端気象および大電荷量イベントについて解析を進め、本年度夏季において発生するであろう極端気象イベントについても、迅速にデータ解析ができるよう万全の体制を整えて、事象が発生次第迅速に解析に移る。
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