研究課題/領域番号 |
19H01980
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
汪 発武 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (10324097)
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研究分担者 |
中川 光弘 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50217684)
志比 利秀 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (60311792)
宮島 昌克 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70143881)
Andreas Auer 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 講師 (80778613)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 火山灰 / 地震 / 飽和状態 / 風化 / 粒子破砕 / すべりゾーン液状化 / 高速長距離 / 運動機構 |
研究実績の概要 |
令和元年度、主に現地調査・観測及び室内実験、数値解析を実施した。 現地調査・観測に関しては、北海道厚真町を中心に、地震による発生した多数の地すべりの中から、典型的なものを4か所を選定し、それに対する称さな現地調査、観測を実施した。現地調査では、地形測量、トレンチ調査、現場一面せん断試験、含水比測定、地下水面確認、風化度合い確認、斜面地盤硬さ試験、及び土試料の採取を行った。観測はトレンチの中に土壌水分センサーと間隙水圧計を用いた斜面地盤の含水状況の把握と自然電位センサーによる地下水の流動状態の計測を実施した。 室内実験では、火山灰粒子の圧砕試験を実施すると共に、粒度分析、すべりゾーン土とすべり土塊の粘土鉱物成分分析を行った。 数値解析では、典型的な地すべり4か所を対象に、地すべり運動機構を解明するために、LS-RAPID地すべり運動再現ソフトを用いて、地すべり運動再現解析を行った。 得た主な結論は以下の通りである。(1)火山灰層Ta-Dはハロイサイトが富んでおり、常時飽和されている状態であったことで、地震による非排水載荷効果で、非排水せん断現象が起こり、すべりゾーンでの液状化現象が発生することによって、せん断抵抗が低下し、高速長距離運動となった;(2)風化が進むにつれて、火山灰層Ta-Dの粒子が丸くなり、抗圧強度が低下する;(3)運動再現解析では、すべりゾーンの強度が小さくなったことで、高速長距離運動になることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進んでいる。 ただし、年度後期でコロナウイルスの影響で、現地調査ができなくなり、主に室内実験と解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りで研究を実施する予定であるが、コロナウイルスのことを注視しながら、現地調査、室内実験と解析のウエイトと調整しながら、研究を推進する。
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