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2020 年度 実績報告書

全方位ミュオグラフィによる火山内部の3次元密度構造イメージング:観測と実証

研究課題

研究課題/領域番号 19H01988
研究機関東京大学

研究代表者

宮本 成悟  東京大学, 地震研究所, 助教 (80402444)

研究分担者 森島 邦博  名古屋大学, 理学研究科, 特任助教 (30377915)
中野 敏行  名古屋大学, 理学研究科, 講師 (50345849)
小山 眞人  静岡大学, 未来社会デザイン機構(企画推進本部), 教授 (70183811)
鈴木 雄介  静岡大学, 未来社会デザイン機構(企画推進本部), 准教授 (40894192) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード火山 / ミューオン / 宇宙線 / イメージング / 密度構造 / 透視 / ミュオグラフィ / 原子核乾板
研究実績の概要

本研究は火山体浅部の内部構造を高分解能で解明するために、静岡県伊東市の大室山スコリア丘(伊豆東部火山群)を対象とし、全方位ミュオグラフィ観測という世界初の試みた。全方位ミュオグラフィとは火山体を取り囲むようにミューオン検出器を設置し、X線CTのように高い三次元空間分解能を試みるものである。火山の3次元密度構造を高い解像度で明らかにし、得られた情報を地質構造、噴火モデル、噴火史と照らし合わせることで、火山活動の理解を深めることを目指す。
2018年の3方向観測と2019年の8方向観測を組み合わせ、11方向からの観測データから、乾板間の飛跡接続・直線性フィルタリング・検出効率校正などを用い、良質なミューオンシグナルの抽出に成功した。その信号から、ミュオグラフィ画像を各々の観測方向ごとに作成した。その基礎データを元に、3次元密度再構成を行った結果、西と南に伸びる軸対称でない高密度構造を検出した。先行研究による地質学・地形学的調査と比較し、この高密度構造は山体に侵入した岩脈である可能性があると判断した。これまで2~3方向からのミュオグラフィ観測ではこのようにはっきりと火道の分岐を検出したことは過去に例がなく、11方向からの多方向観測が火山の詳細な内部構造を解像するために有効な手段であることが示された。さらに、航空機LIDARによる10cm高解像度地形データや溶岩湖の地質学的証拠などを再調査し、それらと11方向のミュオグラフィ結果を考慮して、大室山の終盤の形成過程についての議論が続けられている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年の3方向観測と2019年の8方向観測を組み合わせ、11方向のデータから、非常に良質なミューオンシグナルを取り出すことに成功した。線形インバージョンの改良も加えて、高い解像度で三次元の密度イメージングを行うことに成功している。

今後の研究の推進方策

西、南南東、北北東方向に伸びる軸対称でない高密度構造が検出された。これを火山学的に解釈するために、最新の航空機LIDARによる30cmの解像度の地形マップ、並びに古谷野他(1996)の先行研究に加え、30cmの地形データや溶岩湖が形成された地質学的証拠も考慮し、現在大室山の終盤の噴火形成史がどのように構築されるか、議論が続けられている。

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公開日: 2023-12-25  

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