研究課題/領域番号 |
19H01992
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 令慧 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50346061)
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研究分担者 |
小川 康雄 東京工業大学, 理学院, 教授 (10334525)
MORI JamesJiro 京都大学, 防災研究所, 教授 (50314282)
高田 陽一郎 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (80466458)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 比抵抗構造 / 不均質 / 断層クリープ運動 / 固着域 |
研究実績の概要 |
すべりの多様性がみられる2つの断層(トルコ:北アナトリア断層帯Bolu-Geredeセグメント、日本:跡津川断層)において、その多様性に対応する比抵抗構造の不均質性がみられるか、見られたとして共通性があるか否かを明らかにすることが研究目的である。2019年度は、主に日本国内において跡津川断層周辺で稠密な広帯域電磁探査を実施した。43地点において、各7日~10日間器材を設置し電磁場データを連続で収録した。1か所を除き良質な記録が得られ時系列処理を進めている。観測効率を上げるために、電場磁場5成分を収録する観測点(23点)と電場2成分(20点)のみを収録する観測点に分けて実施した。また、本研究において導入した低コストの電磁場収録ロガーについて、動作確認を行い、既存機器と同程度な機能を有することを確認した。本研究では既存のデータも活用するが、既存データの整理も進めた。 2020年度実施予定のトルコでの調査に備え、現地訪問を行い現地研究協力者との打合せを行い、実施時のロジスティクスならびに観測消耗品の事前準備を進めた。 地殻変動については、北アナトリア断層Bolu-Geredeセグメントにおいて、ALOS-2のScanSARモードで撮像したSAR画像を用いて予備的なInSAR解析を行い、撮像時期が4年離れたペアの干渉性を調べた。また、現在の当該地域の地震活動を把握するために、現地訪問や遠隔打合せを活用し、トルコ国内研究者によって取得された既存のデータについての情報を収集した。追加の地震観測などの必要性について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本国内の観測については、おおむね計画通りに実施した。一部、観測候補地へのアクセス道が地滑りなどにより通行止めであったため、次年度以降に追加観測を行う必要があるか検討をする。また、地殻変動・地震活動評価については、予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、トルコ国内での電磁気観測を予定している。新型コロナウイルスの感染拡大状況やトルコでの対応策を見極める必要があるが、実施に向けて準備を進める。仮に8月~9月の観測実施が困難な状況が続くようであれば、2021年度に実施を延期することを検討している。2019年度に取得した跡津川断層周辺のデータ解析については、既存データの再解析を含めて予定通り進め、2020年度中に予察的な3次元比抵抗構造を推定する。 InSAR解析については、スタック処理もしくは時系列解析をすることにより、ノイズを除去してBolu-Geredeセグメントの面的速度場を推定する。 地震活動評価については、引き続き既存データ収集・解析を進める。
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