地震断層運動を再現する室内摩擦実験と、回収試料の放射光X 線吸収端近傍構造(XANES)分析から、「地震時の断層運動によって生じる化学反応エネルギーを生命活動に利用する微生物が地下生命圏を形成している」という仮説の検証をおこなった。その結果、地震時の数秒程度の高速剪断運動によって岩石中の鉄の酸化反応が進行すること、さらに、この動的酸化反応は反応性の高い界面を持つナノスケール破壊粒子と、摩擦発熱によって超臨界状態となった水との化学反応に起因することがわかった。本研究によって、地震断層運動によって地下生命の代謝に必要な酸化還元エネルギーが地球内部で生成されることが明らかとなった。
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